この「Verticow」は、大英図書館で無料で一般公開されているパブリックドメインの資料をそのまま素材として使った物理ゲームです。
具体的にどんなゲームかというと、ピンで一点止めさてゆらゆら揺れている様々なものを、タイミングを見計らって飛ばしてできる限り遠くへ飛ばすというもの。揺れ幅とタイミングを見計らうのがプレイのコツですが、そもそもそんなに深く考える内容のゲームでもありません。投げ飛ばす対象や背景に使用されているのは勿論大英博物館の資料で、それ以外のUIも全部手作業のアナログで作られた画像。マスキングテープやダンボール、そのまんまのピンやメジャーなど、徹頭徹尾「実際にあるそこらへんのもの」の画像のみでデザインされています。
このダンボールの→をタップすると…
ものがくいっと曲がって飛ぶ態勢になります。そこでタイミングよく指をはなすと…
バナナが飛んだ!ってなんだこれwww
記録はメジャーに従ってプレイごとに記録され、新記録が出るとご褒美として…
ルーレットを回すことができ、新たな飛ばす「もの」をGETすることができます。ルーレットもダンボールにマジックで手書き…
次に飛ばすのはおじさん。しかしこのように飛ばす対象として人間が出てくることは結構レアです。
くいっと曲がって飛ぶ態勢のおじさん。人間の画像でみると、このゲームは体操の鉄棒競技に似ていることが分かります。
プレイしているうちに、飛距離を稼ぐには縦に長いものが有利であることが徐々に分かってきますが、当然そうではないものも多数。例えばこの蝶なんて全体的に小さいから遠くまで飛ばすのはちょっと大変そうです。
それでもいい感じに18cm飛びました。
なお、何度もプレイしていると、ランダムに動画広告視聴を勧められ、それを見ることでもルーレットを回すことができます。上手く飛距離を稼げなくてもドン詰まりにならないようにする配慮もあるのでしょう。
次はチキン。なんだこの世界観www
しかし上手いのが資料の画像の絶妙なチョイスと組み合わせです。資料自体は年代も種類も全てバラバラの異なるものばかりなのに、それを全部混ぜて組み合わせるセンス。このスクショなんて一つの”絵”として完成していますからね。これはゲームの姿を借りたコラージュ作品でもあるのかもしれません。
次に飛ばすのは長~~~~~~い羊…ってこれ一体どんな資料から引っ張ってきたのでしょうか?でも縦に長いので飛距離が稼げそう!
は???縦に着地した??? お前体操選手かよ!
…と、このように思いがけない挙動に出会えたりもします。アンティークな資料を使ったシュールなコラージュと、物理エンジンによる予想外の挙動が相まってなんとも言えない独特の世界観を醸し出すタイトルで、ある意味これもまたアート性の高い雰囲気ゲーかもしれません。アンティークな絵がやコラージュが好きな人は一回見て触ってみて下さい。ゲームはなんてことありませんが、次から次へと現れるシュールな世界観の”絵”が見たくなってついつい何度もプレイしてしまうことでしょう。