①2024「第8回横浜トリエンナーレ」横浜美術館  アートはクスリ | タロットのささやき、こころの景色

タロットのささやき、こころの景色

大田区・東急沿線にあるプライベートスペースで、
マルセイユタロットリーディングをおこなうHARUです。
おやつとお茶を楽しみながら、じっくりゆっくりタロットを介してじぶんと向き合う時間。
月に数回、定期的にカフェ鑑定も行ってます。

3年に1度の開催、

毎回楽しみにしていました

 

「第8回横浜トリエンナーレ」

 野草:いま、ここで生きてる

 ①横浜美術館

 

 

曇り空の中

ようやく足を運んできました。

 

 

 

 

 

 

 

美術館正面の作品は

 

 

「彼らは決められた道を行かず、誰かが定めた秩序にも従わない」

 ヨアル・ナンゴ

 

作家自ら県内で刈り取ってきた竹で

自身の出自である

北欧の遊牧民サーミ族の文字で

タイトルのメッセージが掲げられています。

 

 

 

館内に入り

目に飛び込んでくるのが

 

高い天井からつるされ

宙に浮く赤い生命体

 

 自然光が明るく差し込む

白い天井に映える赤。

 

「出土した葉」

 サンドラ・ムジンガ

 

コンゴの作家。

 

 

 

SF映画に出てくるような

朽ち果てた恐竜の死骸に見えます。

 

 

 

 

 時間が止まったかのように・・・。

 

 

 

 

 

 

少しずつ少しずつ

時間をかけて

朽ちてゆくのは、

 

 

 

恐竜だけではなく

私たち人間も含め

すべての

生きとし生けるものたちが

おなじ運命なのですよね。

 

 

 

 

こんなふうに

残骸となりながら

やがて消えていくのですね。

 

 

 

 

ピッパ・ガーナー

「ヒトの原型」

 

 

 

写真の撮り方が悪かったので

わかりにくいけど

 

オフィススタイルの

白人女性と黒人男性

 

その身体のパーツが分解され

歪なパズルのように

ひとつに組み立てられ

 

 

 

不自然に縛られ歪められながら
社会で働く私たちの醜悪なイメージ像。
 
 
 

マイルズ・グリーンバーグ

「マルス」

 

 

自身のパフォーマンス時の様々な動きを

3Dスキャナでとりんだ作品。

 

永遠に動き続けるような

激しさと

それでいて静けさを感じる。

 

 

ラファエラ・クリスピーノ

「わたしたち」

 

 

 

絹生地に植物を転写させた作品。

 

シンメトリーな構図が

生き物の「開き」のようでもあるし

 

白日の下の万華鏡のようでもある

 

 

 

野草たちの

思いがけない繊細な優しいシルエット。

 

 

 

 

「霧の中の対話:火」
 宮城県牡鹿半島山中にて
 食猟師小野寺望さんが話したこと
  志賀理江子

 

 

 

 

決して読みやすいとはいえない

小さな文字で書かれた

小野寺氏とのインタビュー内容は

 

それでも

私を含め鑑賞者たちが

引き込まれ読みつくしてしまう

強さだった。

 

 

 

「誰の杓子定規で物事を考えるか」

 

 

奥深い山の中、

野生動物と1対1で対峙する猟師の小野寺氏の言葉は

自然への大きな畏敬から生まれている。

 

人間が食べられる分だけを生き物の命からいただくことは

自然界から見れば決して異常なことではなく

 

 

生きていた時の姿をすべて取り除かれ

きれいなパッケージで

溢れんばかりにスーパーの冷蔵コーナーに並ぶ光景が異常なのだ。

 


 

 

 

それは

東日本大震災における「復興」という言葉が

あまりにも薄っぺらで、

 

 

現地住民の生活の上をかすめることすらせず

別の遠くにある巨大な権力のために

動いていることへのいら立ちを

改めて私の中に湧きたたせたのだった。

 

 

 

「長年の勤務に感謝」

(ジョアン/弁護士)

 

「総仕上げ」

(トム/管理職)

  ジョシュ・クライン

 

 

 

AIや機械化によって

今後喪失するであろう職業として

「士業」「管理職」などがあるとされている。

 

 

 

作品タイトルと合わせ観ると

さらに怖さが倍増する。

 

 

「営業終了」

(マウラ/中小企業経営者)

 

「生産性の向上」

(ブランドン/会計士)

 

 

 

 

 

 

私たち

(といっても私は士業にすらなれなかったが)労働者は、

効率化や機械化のために

使い捨てになっていくのだろうか。

 

 

 つづく