土砂降りの肌寒い雨の中、
「ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクション」へ
「浜口陽三、ブルーノ・マトン展
ひとつ先の扉」
浜口の銅版画は
雨の日によく似あう。
銅版に幾重にも刻まれた溝の集積が
深い深い闇を作りだす
なのに柔らかな春の夜のような手触り
メゾチント独特の黒の世界は
私を思う存分
内省的に浸らせてくれる。
マトンのメゾチント作品は
水彩画のような滲みを感じさせる
透明感のある黒。
人の気配が途絶えた無人の空間の
何かが息をひそめているような
ひっそりとした静けさ。
地下二階のブルーノの作品展示スペースは
写真撮影可だったけど
ガラスが反射しまくるので撮影は断念。
一番好きな作品を記念に。
私の姿と溶け込む作品
2人の詩人
イメージされる作品を選ぶ
ぬくもりのある
しかしなにも語らないチャーミングでユーモラスなマトンの線から
作品タイトルを
谷川俊太郎さんと大岡亜紀さんの「ことば」を印字したカードたちから
選ぶ
「タイトルあそび」
マトンのこれらの作品は
ねぼけた想像力に
そっと指先でタップしてくるみたい
私の想像力よ
起きて起きて
鑑賞者たちも
詩人たちの言葉や
作家の線を見ながら
自分の言葉を
そこに置いていく
言葉が揺れる
その影も揺れる
とてもお手軽なお値段だったので
トートッバッグを購入。
ポスター付きで1,100円って
素晴らしくありがたい
静かに生き返る時間をありがとう。