上野国立西洋美術館
「チュルリョーニス展 内なる星図」
(会期終了)
会期終了間際に行ってきました。
ロシア帝国支配下にあったリトアニアの芸術家。
オルガン奏者の父の元に生まれ
幼少期から音楽の才能を開花させ
貧しい家庭であったが知人の紹介で公爵からの援助を受け、
音楽学校で作曲等を学びながら
絵を描き始め、
音楽学校卒業後、
象徴主義画家であり神智学者、神秘主義者である創設者の開校した美術学校で
本格的に絵を学びはじめる。
作品はほぼ紙にテンペラでした。
「夜の海」
厚紙にテンペラ。
「閃光Ⅱ」
連作のひとつ。
大地から光の粒が生まれ、
静かに瞬きながら夜の街をゆったりと
北斗七星のようにつながりながら流れます。
「春」
泉から湧き出すひそかな芽吹きの足音、
深遠な空気。
「春のモティーフ」
現実の風景というよりも、
沸き立つ雲の勢いに
鐘が告げる春の生命のはじまり。
「春」
大地に光る白いものは蝶です。
地上ではなく神聖な天の国のよう。
「夏」
高く高く宇宙までつき抜けような気高さ。
季節の連作シリーズ。
「冬⒈」
雪が、星が、ことんことんと降り注ぐ。
この世界の風景ではない静かな世界。
「冬Ⅳ」
きりり冷え冷えとした音のない世界。
瞬く星と梢がひとつに繋がって。
もしくは、宇宙の祝福を得たかのような。
「冬Ⅶ」
こんこんと雪に埋れていくと
ただ無音の世界に身を委ねるだけ。
「フーガ」
遠景と近景、
湖面に映るその樹々の姿が永遠の反復を感じさせます。
「第3ソナタ(蛇のソナタ:アレグロ)」
このシリーズはただただ美しく
遠い遠い昔の神話の世界のよう。
古今東西、人間の普遍的意識において
「蛇」は大いなる叡智の象徴となります。
「第3ソナタ(蛇のソナタ):アンダンテ」
神話の世界へ、
集合的無意識の視点へと。
「第3ソナタ(蛇のソナタ)スケルツォ」
今回の展示には夜のモチーフが多く観られました。
夜は現実社会から隠された魑魅魍魎がうごめきだす時間。
無意識の世界へと精神を解き放つ時間。
「第3ソナタ(蛇のソナタ)フィナーレ」
「第5ソナタ(海のソナタ)アンダンテ」
これが1908年に描かれたことが信じられない。
壮大さに震えずにはいられません。
「第6ソナタ(星のソナタ)アレグロ」
「おとぎ話Ⅰ」
これは自然現象というより
神による生命の創生ではないか、と。
「稲妻」
はるか遠く、
太古の世界の意識へと私たちを繋げていくような作品たち。
「おとぎ話(城のおとぎ話)」
この作品をポスターではじめて観た時、
宇宙に投げ出されるような
恐ろしさにも似た胸のざわめきを感じました。
「祭壇」
超宇宙的な
神の視点としか思えない静かで壮大なダイナミズム。
「レックス(王)」
同時開催で「北斎展」
北斎には興味薄だったのですが
それを打ち壊すような充実した展示でした。
帰り際に…
最近はポストカードしか買わない!
と決めているのですが、
カタログの装丁や紙質が
あまりに好みだったので…
それも含めて珍しくあれこれ購入。
じつくり読み返したいと思います。
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