私は前職が
塾の講師で
中学生に数学を教えておりました。
その関係で
今の仕事に就いてからも
たまに
中学生の勉強を見させていただくことがございます。
数年前になりますが、
知り合いの
中二の娘さんの勉強を見る機会がありました。
数学が苦手ということで、
お母様に連れられてやってきました。
最初は気の毒なくらい
緊張して、大人しかったのですが、
勉強を教えていくにつれて
少しわかってきたのか、
徐々に質問もしてくるようになりました。
そこで
私は懸念していたことを聞きました。
実は、
彼女のお父さんは
とても高学歴で
お母さんも
帰国子女の才女で
私としては
お父さんとお母さんに
教えてもらったら、という気持ちがありました。
そこで聞いてみると
お父さんとお母さんに勉強を教えてもらう機会は
あったそうです。
でも、
「お父さんは
頭が良過ぎて、何を言っているか
わからないです…」
そして
お母さんは
「（数学に関しては）
あまり頭が良くないから…」
と小さな声で言いました。
お父さんは
教えてくれるのだけど、
理解できないので
申し訳ない、
逆にお母さんは
数学は得意でないので、
あまり聞かないで、という雰囲気を出しているので
質問しないようにしているということらしいです。
中学生なのに
すごい気を使って
いたたまれない気分になりました。
お父さんのプライドも
お母さんのプライドも
傷つけないよう
気を遣っているようです。
心優しい子でしたが、
このままでは
本人の高校受験が心配になりましたので、
本人に
「塾に行ったほうがいいんじゃないか？」と
聞くと
本人も
「私もそうしたいです。」と
言ったので、
お母様に
「ご両親のご教育の賜物でしょう。
とても素直で頭のいいお子さんです。
でも、高校受験は
専門の塾に行って
進学指導を受けたほうがいいのではないでしょうか？」と
と進言させていただき、
彼女は塾通いをし、
見事第１志望の高校へ進みました。
それから
３年経ち、
先日、
大学生になったと
律儀に一人で報告に
「チェコのアニメと絵本の店」まで
来てくれました。
パレチェクの絵本を
２冊買っていってくれました。
お父さんとお母さんへのプレゼントだそうです。
お父さんには
「ちいさなよるのおんがくかい」
お母さんには
「人魚ひめ」
お父様へのプレゼントで
絵本は珍しいので、
「お父さん、喜んでくれるといいね。」と
言いますと
中２の時を同じ顔で
「プレゼントに差があると
二人とも気にするから…」
相変わらず、
気を使っているのね。
「それに」
続けて話してくれます。
「お父さん、
仕事先の方で
娘さんへのプレゼントを何にしようか
困っている人がいる、と言ってたから、
この絵本がいいかな、と思って…」
”気遣い”だけでなく、
ご両親のことが好きなんだな、という
気持ちも伝わってきたのが
嬉しかったです。
それから
アマールカグッズをいっぱい買ってくれました。
私が勉強を教えた頃から
アマールカのファンになってくれたようです。
「先生（私をそう呼びます。）のおかげで
アマールカに出会えました。
とても感謝しています。」
アマールカを好きな人は
優しい人ばかりです。
私も進学のお祝いに
心ばかりのプレゼントをさせていただきました。
こんな優しい子が
報われる世の中でありますように…
