チェコアニメには
様々な作品がございます!
可愛くて癒される作品が多いですが、
エッジの効いたシュールな作品も
絶品です!
DVD「80’s~90’s2D傑作アニメーション『カフェ』ほか」に収録されている
パヴェル・コウツキー作品をご紹介します!
コウツキーの作品は
世の中のあらゆる出来事を独特のユーモアと皮肉で
世相を切った作品が多いです。
共産主義時代に全盛期を迎えたチェコアニメの歴史において、
コウツキーは、1980年代にデビューし、共産主義時代を終えてから、
キャリアのほとんどを過ごしていますが、
その実績は、圧倒的で
ベルリン国際映画祭の5度の受賞を誇るなど、
現在のアニメ界においてその存在感は、抜き出ています。
「バイオリンコンサート」(1981年/4分)
コウツキーが学生だった頃に発表したデビュー作品です。
全て黒の線で表現しています。
一人の男がバイオリンを弾くのですが、その”音楽”を
独特の表現で表します。
コウツキー作品の特徴なのですが、
ラストの”オチ”あることが多く、
この作品も絶妙なオチがございます。
この作品が認められコウツキーは、卒業後、
作品制作の以来が殺到したのです。
「カタストロフィー」(1984年/7分)
学者が語るあらゆる人類の悲惨な末路に
恐れおののく男ですが、
でも、本当に怖いものは…。
とにかく、人類の滅亡の仕方が大げさすぎて、笑えてきます。
この作品のラストは一体…?
「ジレンマ」(1985年/2分)
2分間の作品ですが、内容はとても濃いです。
どっちを選択すべきか迷う男の話なのですが、
その心の中の葛藤が、すごい描写で表現されています。
ありえないぐらいのデフォルメなのですが、
きっと共感していただけると思います。
ちなみにこの作品も”オチ”がございます。
「履歴書」(1986年/10分)
「履歴書」というタイトルのこの作品。
コウツキー自身の”履歴”を顧みています。
履歴書に、いろいろな項目を書き込んでいきますが、
”学歴”の欄で手が止まります。
学校で数学や語学、物理、歴史等と格闘し、
美術との運命的な出会いを経てアニメーションへの世界へと歩みます。
積み上げられた知識の上に誇らしく登りつめた若者の顔。
言葉はなく、すべて”画”で表現しています。
このとき、まだ29歳だったコウツキー。
自分の過去に何を思い、未来に何を描いていたのでしょうか?
この時期に彼は結婚しております。
自身の学校生活を振り返り、自身の青春を
コウツキー独特の表現で描いた作品かも知れません。
そして、何かしらの決意が含んでいると思います。
決して素直でない彼の描写なので、
わかりやすくはないかもしれません。
でも、ほとばしる”29歳”のアニメ作家として
羽ばたこうとしているコウツキーの大いなる意志を感じます。
この作品で彼は、ベルリン国際映画祭で金熊賞(グランプリ)を
受賞しました。
”青春”なんては彼に最も似つかわしくない言葉が
この作品からは感じます。
「ひとめぼれ」(1987年/5分)
一人の女性に恋をした男の気持ちを
コウツキーらしく、これ以上ないぐらいのデフォルメ…、
というより、よくこんな表現思いつくなあ、というぐらいの
表現で描いています。
そして、女性の鉄壁のガードもものすごい描写で描かれています。
男の思いは届くのでしょうか?
ベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品です。
2年連続のベルリン受賞で、若くしてコウツキーは
アニメ作家として確固たる地位を築きました。
「ネズミ、万歳」(1993年/6分)
コウツキー版の「ト○とジェリー」です。
でも、実際の「ト○とジェリー」より
まずネコが強烈です。
そして、ネズミがなぜか”ミッキーマ○ス”似です。
家に帰ってきた男がテレビをつけると
このアニメがやっていたという設定で、
痛快な展開に男は大笑いです。
男はネズミを応援してたのですが、
最後の”オチ”がとてもブラックです。
でも、なんといっても絵柄がすごいです。
ネコvsネズミの戦いが容赦なく展開されております。
この作品もベルリン国際映画祭銀熊賞受賞しております。
このころのアニメ界は、コウツキーを中心に回っていたと
思わせるぐらいの勢いでした。
「カフェ」(1988年/8分)
最初、実写から入ります。
昼下がりのカフェに、様々な人々が
優雅に過ごしています。
見た目、余裕たっぷりで、おしゃれな会話を
交わしてそうですが、心の中では…
目の前の人物に対して、心の中で思っていることを
ものすごいデフォルメした描写です。
人間の感情をこんなに赤裸々に描いた作家は、
他に知りません。かなり強烈な描写ですが、
”センスのいい笑い”です。
「メディア」(2000年/5分)
この作品もベルリン国際映画祭銀熊賞受賞作品(2000年)です。
これは、かなりの大作です。
いろいろな技法が詰め込まれていますが、
全ての表現に”メッセージ”がございます。
この作品のテーマはタイトル通り”メディア”ですが、
モチーフとして”新聞紙”が使われています。
新聞紙は、情報の宝庫。
ワクワクドキドキするような情報が詰まっています。
でも情報はあふれています。
下手すると情報に振り回されることも…。
情報社会の未来をコウツキーが、シニカルな視点で描いています。
地球儀から心臓(らしきもの)を取り出すシュヴァンクマイエル作品のような
シーンがあるのですが、その”地球儀の心臓”を
料理したり、鉄砲の弾丸にしたり、
ユニークな扱いをするのですが、
”情報を料理する”、”情報を撃ち込む”ということです。
ものすごく強烈なメッセージと皮肉が
込められています。
”情報は大事だが、振り回されてはいけない”
よく言われることですが、
この作品の卓越した表現方法と、その表現の中にあるメッセージが
見事にマッチしていて、とても説得力があります。
コウツキーは
大学卒業後、すぐにアニメ監督としてデビューしておりますが、
こんなケースは稀でございます。
チェコにおいて、アニメ製作という仕事は、完全に専門職で、
医者と同じで大学でしっかり勉強をして、キャリアを積むことが必要で、
なんのキャリアもない若者が、すぐに脚光を浴びるということは
まずありません。
つまりコウツキーは、類まれな能力を
持っていたと評価されたのです。
コウツキー作品は
DVD「80’s~90’s2D傑作アニメーション『カフェ』ほか」に収録されています。
「チェコのアニメと絵本の店」では
税込3千円で販売しています!
さらに
コウツキーのデザインのグッズがございます!
チェコアニメの鬼才パヴェル・コウツキーの
ユーモラスなTシャツ!
「ネズミ、万歳」の一場面のTシャツです!
男性用Mサイズと女性用Mサイズがございます。
税込1000円
パヴェル・コウツキーの「カフェ」の一場面の
マグカップ
税込1500円
これもパヴェル・コウツキーのデザインの
パラパラまんがノートです。
中身はパラパラまんがになっていて
とてもユニークです!
税込800円で販売!
【「チェコのアニメと絵本の店」への行き方】
JR南武線中野島駅の改札を出ますと
(改札は1つです)
目の前には道路がございます。
すぐ右に曲がりますと
踏切がございます!
踏切を渡ってください。
わたると左に交番がございます。
(赤で〇をしたところです。)
この後ろに
「チェコのアニメと絵本の店」がございます。
交番の前に来ますと
左に曲がっていただきますと…
「チェコのアニメと絵本の店」が見えてきます。
いらっしゃいませ!
場所:神奈川県川崎市多摩区中野島6-29
(JR南武線中野島駅徒歩30秒)
駅の改札を出ると交番が見えますので、
その裏にございます!
駅を出て
1分経って見つからなければ
間違いなく行き過ぎています。
そのときは
090-6652-7491に
ご連絡ください!
すぐお迎えに参ります!
駐車場がございませんので、
お車でのご来場は
ご遠慮お願いいたします。