本日25日最終日はシュヴァンクマイエル・デー | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

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アップリンク渋谷

”帰ってきたチェコアニメ映画祭”

いよいよ本日っ最終日!

 

 

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絵本、DVDも販売も本日限り!

 

 

本日2月25日(木)の上映プログラムは

 

 

☆2月25日(木)16:00〜【シュヴァンクマイエルのバラードの夜】(計76分)

シュヴァンクマイエルの短編映画の中でも、

シュヴァンクマイエルの“シュルレアリストたる”表現が

最も盛り込まれた作品のプログラム。

心の隙間にそっと風が吹いてきそうな作品集…。

 

 

 


1.J.S.バッハ-G線上の幻想(1965年/10分)

 

バッハの

音楽に合わせて

壁の凹みなどが

”生きもの”のように動きます。

 

様々なオブジェが

生き生きと動くシュヴァンクマイエルの

作風はこの作品からスタートしました。

 

バッハとシュヴァンクマイエルの

組み合わせ…

 

豪華なのか、超シュールなのか…

 

是非、ご体験ください!

 

 


2.自然の歴史(組曲)(1967年/9分)

 

”シュヴァンクマイエル版”の

生物の進化の歴史…

 

貝、は虫類、魚類、鳥類、哺乳類…

様々な生物を

描かれています。

 

でも、あくまでも”シュヴァンクマイエル流”です。

 

こんな「生物図鑑」…

…なんとも言えません!

 


3.部屋(1968年/13分)

 

シュヴァンクマイエルの

”シュルレアリストたる”色合いが最も濃くでた作品です。

 

ある男が

部屋に入ります。

 

ただ、この部屋では

”当たり前のこと”ができません。

 

食べること

座ること…

 

ごく当たり前のことを

この”部屋”は拒絶します。

 

こんな部屋に閉じ込められて…

 

この”部屋”で

本当の”絶望”を経験します。

 

 


4.家での静かな一週間(1969年/19分)

 

一人の男が

決死の覚悟で忍び込んだのは…

 

古い廃屋のような家…

 

男がこの廃屋の中で

望んだもの、

見たものは…

 

シュヴァンクマイエルの”思考回路”が

この作品に充満しております。

 

鳥肌が立つような

シュヴァンクマイエルの”シュルレアリスム”が如何なく発揮した作品!

 


5.レオナルドの日記(1972年/11分)

 

レオナルド・ダ・ビンチの

肖像画を

鉛筆が描きます。

 

それと同時に

世の中のいろいろな出来事が

描かれております。

 

レオナルド・ダ・ビンチの肖像画は

いろいろな絵に変化します。

 

レオナルド・ダ・ビンチの目には

現代はどう映るのか?

 


6.陥し穴と振り子(1983年/14分)

 

エドガー・アラン・ポーの同名の短編小説を

シュヴァンクマイエルが映像にした作品

 

 

身動きできない男の真上から

鋭い刃が降りてきます。

 

刃が近づく恐怖が

リアルに体験できます。

 

 

恐怖に打ち震える男の目線で描かれたこの作品…

…逃げ場はどこにもありません

 

 

シュールな世界が巻き起こります!

 

 

 

☆2月25日(木)17:50〜【シュヴァンクマイエル「ルナシー」の夜】(計123分)

見れば必ず元気を失くします…。

明日、仕事のある方は見ないでください…。

“リア充”な方は見ないでください…。

シュヴァンクマイエル渾身のホラー…。

1.ルナシー(2005年/123分)

監督・美術 ヤン・シュヴァンクマイエル


シュヴァンクマイエル作品は、
チェコの作品の中でも
異色です。

様々な作品がございますが、
美しい映像と心温まるお話のものが
多いです。

でも、シュヴァンクマイエル作品は
そういった人間の”優しさ”や”ぬくもり”を
見向きもしないです。

人の〝死”や、非常な現実を
必然としてとらえています。

「ルナシー」はその最たるものです…
 


いつも悪夢を見る青年ベルロが
主人公です。

生きる希望もなく、
陰鬱(いんうつ)に毎日を過ごしています。
 

 

 


奇妙な人物に出会い、
翻弄されるベルロ
 

 

 


治療のために精神病院に入院することに。
しかし、彼の精神はボロボロで、
無気力そのものでした。
 

 

 


でも一人の女性と出会います。
 

 

 


彼女は病院の中でも自分の虐げられた現状を
告白します。
 

 

 


彼女を守るために
消えかかっていたベルトのハートが
燃え上がります。

……
この若者の心を
シュヴァンクマイエルは踏みにじります。

 

この作品を通して大事なのは、
精神病院の医師や看護師を
無条件に信じていいのか?

施される治療が”最善の善意”なのか?

人の言うことは真実なのか?

日常でもよく聞きます。
「○○さんが、言っていましたから。」
何を根拠にその言葉を信じるのか?

「人はゆとりがあるから、
人にやさしく出来るのさ。
ふつうは、人は、他人の幸福をねたみ、
不幸に歓声を上げるのさ。」
そんなシュヴァンクマイエルの言葉が聞こえてきそうです。

「ルナシー」は夢も希望もない話です。
でも、世の中の”真実”を
描いているのかもしれません。
 

 

 

 


果たしてベルロは
生き延びることは出来るでしょうか?
 

 

 


そして彼女との愛は真実なのでしょうか?
 

 

 


…そんな甘い展開をシュヴァンクマイエルが
許すはずがありません。

シュヴァンクマイエルがお贈りする
最大の恐怖、「ルナシー」

見れば必ず元気を失います…。

 

リア充な方には

お勧めしません。

 

 

この作品で
「帰ってきたチェコアニメ映画祭」は
終了です。
 
最後の最後に
恐怖のどん底を体感しましょう…