12月23日(日)18:40 「チェコアニメ史上怖くて大迫力のプログラム」 | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

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チェコアニメのキャラクターたちを中心にチェコの絵本などを紹介しているチェコ・チェコランドのイベント・商品情報ブログです。

12/15(土)~12/28(金)の2週間

ユジク阿佐ヶ谷で

クリスマス上映会

「チェコアニメの夜

クリスマス ホリーナイト」

~聖なる2週間146作品!~

https://www.yujikuasagaya.com/czech-anime-christmas2018

 

現在、

劇場窓口で

各プログラム毎に

前売りチケットを販売しています!

 

 

 

前売りチケットを1枚

お買上げのたびに

チェコアニメのポストカードを1枚プレゼントいたします!

22種類からお選び頂きます!

 

 

毎回、完売続出のチェコアニメの上映!

ご希望のプログラムのチケットは

お早めに

お求めください!

 

 

今回、2週間の上映で

1日2回28回の上映いたします!

そのすべて違うプログラムを上映いたします!

(※何作品か重複した作品がございます。)

合計146作品の上映です!

28プログラムの内容は↓

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12417472635.html

 

 

本日ご紹介しますのは…

 

 

☆12月23日(日)18:40
【チェコアニメ史上怖くて大迫力のプログラム】(計72分)


トルンカの上映の権利が終わるまでに
実現したかったプログラム。
トルンカ、ポヤル、バルタ、シュヴァンクマイエルの
作品のプログラムなんてかつてあったでしょうか?
この重厚な世界、必見です!


1.飲みすぎた一杯(1953年/19分)
監督 ブジェチスラフ・ポヤル 美術 イジー・トルンカ

 

戦後、チェコアニメを世界に知らしめた

イジー・トルンカ(1912~1969)

 

 

トルンカの産み出した人形アニメは

”芸術だ”と評され

”東のディズニー”と呼ばれるようになりました。

 

しかし、トルンカ作品に欠かせない存在だったのは

若きポヤルでした。

 

チェコのアニメ関係者は言います。

「戦後、スタートしたチェコのアニメは

決して順風満帆ではありませんでした。

トルンカはじめ誰もアニメの経験がなかったからです。

だから全ての作業が試行錯誤でした。

アニメは映像と音のアンサンブルで

複雑な構造をしています。

人形のアニメはさらに平面だけでなく

空間を創り上げるため、

ケアすべきことが多く、

いざ、創ってみても、

イメージしたものと全く

違うものになることがしょっちゅうでした。

しかし、ポヤルだけは

違いました。

彼は、絵コンテの段階で

空間になった映像をイメージすることができたのです。

だからトルンカは

人形を動かす作業を全て

11歳、年下のポヤルに任せたのです。

実際に、人形に”命を吹き込んだ”のは

ポヤルだったのです。」

 

以上のようにトルンカは

ポヤルを全面的に信頼しました。

そしてポヤルの仕事は

いつもトルンカの期待以上のものでした。

そして、

トルンカは

自分以上にアニメの総合演出の才能を

ポヤルに見いだし、

ポヤルに監督をすることを勧めました。

そして自分が美術担当として

バックアップすることを

約束したのです。

 

トルンカもポヤルの創り出す世界に

大きく期待したのです。

しかしポヤルのデビュー作は

成功とは言えませんでした。

トルンカに遠慮してしまい、

トルンカの作風をなぞらえたような作品になってしまったのです。

 

 

ポヤルは、

監督2作目を

背水の陣とし、

自身がずっと心に温めていた

プランを

2作目の

「飲みすぎた一杯」

に注ぎこみました。

 

まずポヤルは

舞台を現代に設定しました。

それまでの人形アニメは

年代不詳の”おとぎ話”の世界を

設定したものばかりでした。

 

ポヤルの試みは、

現代を舞台にすることにより、

若者の心情を描写し

実写映画に負けない

大きな共感を得ることでした。

 

そのリアリティを出すために

トルンカの美術は大きな効果を発揮しました。

ディティールまでこだわった

小道具や舞台から

その時代の空気が伝わってきます。

 

 

 

そしてポヤルは

人形アニメでは

不可能とされていた

”スピード感”と”疾走感”による

”緊迫感”を見事に描写しました!

 

トルンカの築き上げた

チェコの人形アニメとは

まったく違うテーストのこの

「飲みすぎた一杯」は

人形アニメの革命と呼ばれ

世界中を驚愕させました!

カンヌを始め世界中の国際映画祭で受賞し、

世界中にポヤルの名前は

轟きました。

 

この作品以降

ポヤルのあらゆる表現の挑戦は続き、

”挑戦こそアニメ”という精神は

チェコの人形アニメの礎になったのです。

 

ポヤルの新しいチェコアニメの”詩”

是非、ご体験ください!

 

 


2.庭園(1968年/17分)
監督・美術 ヤン・シュヴァンクマイエル

3.庭園(1968年/17分)

 

友人の家に行くと

家を囲む人々が…

まさに「人垣」……

 

その風景にも違和感を感じますが……

 

”その風景が当たり前”とされていることに

もっと大きな違和感を感じます。

 

”国家に従うのは当たり前”とする

当時の社会主義国家に対しての揶揄なのでしょうか?

 

1968年”プラハの春”の年

シュヴァンクマイエルはこの作品を発表しました。


3.雪女(吹替)(2012年/17分)
監督・美術 イジー・バルタ

 

何度かご紹介していますが、

チェコのアニメーションのバックボーンと

イジー・バルタ監督について

少しご紹介いたしましょう。

 

チェコのアニメーションは、

共産時代、国家の支援を受けて、

アニメ制作が進められていました。

 

つまりアニメ作家は、

採算や収益を考えず

創作に没頭できたという

クリエーターにとって

夢のような環境だったのです。

 

それは、先人の巨匠たちの功績が大きかったです。

イジー・トルンカ

 

ティルロバー氏

ヘルミーナ・ティールロヴァー

 

カレル・ゼマン

 

ブジェチスラフ・ポヤルらの作品が

次々と国際映画祭等で高い評価を得、

当時のチェコスロヴァキアが

アニメ制作に力を入れたのです。

 

第2次世界大戦が終わるまで

自由な創作ができなかった作家は、

全ての才能と情熱を

”アニメ制作”に注ぎました。

 

ただ、彼らの中に

アニメ制作の”経験者”はいませんでした。

 

全てが試行錯誤であり、

全てがチャレンジでした。

没頭できる環境を最大限に活用し、

一切妥協することなく、

徹底的にクオリティにこだわり、

表現方法を考え抜き、

チェコアニメは

”芸術品”と称されるようになりました。

 

 

その精神を受け継いだのが

イジー・バルタでした。

 

残念ながら、彼の登場とともに

共産時代は終焉を迎え、

アニメ制作に国の支援はなくなりました。

それでも彼の精神は変わりません。

 

”妥協のない制作”

”チャレンジこそアニメ”

 

アニメ界には一つの格言があります。

 

『バルタが新作を作るたびに

新しい表現のジャンルが増える』

 

2012年の「雪女」は、

小泉八雲の怪談話を原案にして

作られたものです。

この作品は

”ワックスアニメーション”という

バルタ監督が開発した技法で

映像が作られました。

 

ワックスに光を当てて

浮かび上がった絵をアニメに取り入れた、と言います。

 

正直私には、

技術的なことはほとんど理解できていませんが、

映像の美しさにすべての説得力があります。

 

「雪女」の魅力は、美しさと

 

”怖さ”です。

 

バルタの作った「雪女」は

見事に、

そして、

見たこともない映像で

素晴らしい作品になっています。

 

映画など、映像がお好きな方には、

是非、一度ご覧いただきたい作品です!


4.手(1965年/19分)
監督・美術 イジー・トルンカ

「手」(1965年)です。

 

ここでなんどかご紹介させていただいておりますが、

イジー・トルンカを今、一度ご紹介させてください。

 

チェコアニメが”東のディズニー”とよばれ、

”チェコのアニメは芸術だ”と世の中に認識させ、

その多彩で突出した表現力、

そして、大いなるチャレンジ精神、

今もなお、

多くのクリエーターに影響を与え続けている

チェコアニメ。

 

以上のことは、すべて

イジー・トルンカからスタートしたといって

間違いないと思います。

 

イジー・トルンカ(1912年~1969年)

 

1930年代から40年代、

彼は、絵本の挿絵画家として

国内で名を馳せていました。

そして、人形劇団を率い、

人形作りの職人として、

非凡な才能を魅せていました。

 

しかし、1940年代、ナチス支配下のチェコにおいて

トルンカは強制的に美術労働を強いられたそうです。

 

しかし、戦後、ナチスから解放され

新たにプラハに設立された

国営のアニメーションスタジオの

”トリックブラザーズ・スタジオ”の

責任者に任命されました。

挿絵画家と人形作りの実績を買われての

抜擢でしたが、

トルンカには、”アニメ制作”の経験がありませんでした。

というより、プラハには、

アニメ制作の経験者がいなかったのです。

 

しかし、戦争中、表現の自由を奪われていた

トルンカや彼のスタッフは、

”アニメ”という未知の分野の表現であっても

表現できる喜びにあふれ、

取り組みました。

 

トルンカは1年間で

「おじいさんと砂糖大根」

「ばね男とSS」

「動物たちと山賊」

「贈り物」

という4本の短編アニメを作りました。

 

未経験の作家たちの

制作スピードとしては、

驚異的でした。

未経験ゆえ

判断に迷い、

決断に悩んだことも多かったと思います。

でも、それすら喜びとなって

トルンカは創作に没頭しました。

アニメ制作を始めて1年後の

1946年、戦後初のカンヌ国際映画祭で

制作した4本のうちの1つ

「動物たちと山賊」が

最優秀賞を獲得しました。

そのとき、参加していた

ディズニーの作品を破っての受賞でした。

 

しかし、この受賞は、

偶然の快挙ではなかったと思います。

 

ナチスから解放されたとはいえ、

社会主義国家へ向かっていた

当時のチェコスロヴァキア政府下において、

表現の規制が強かった当時、

国に対する説得力が

必要でした。

トルンカはカンヌのグランプリを

狙っていたと思うのです。

トルンカの目論見が大いに当たり、

彼は、

”詩的”で

”ファンタック”なアニメをどんどん作り、

多くの国際映画祭の大きな賞を獲得していきました。

政府は、アニメ制作、とりわけトルンカの制作に関しては

その実績により、表現のかなり寛容になりました。

 

「コントラバス物語」1949年

 

「バヤヤ」1950年

 

「チェコの古代伝説」(1952年)

 

「クチャーセクとクティルカ」(1954年)

 

「真夏の夜の夢」1959年

 

独創的で、

ファンタジックなものを

作り続けました。

 

”詩的”で

”ファンタジック”で

”高い芸術性”

これがトルンカのアニメであり、

チェコアニメのスタイルとなったのです。

 

しかし、彼がこの世を去る

4年前の1965年に発表した

「手」は、

ファンタジーでも

ポエティックでもありません。

 

チェコのあるカメラマンによると

「『手』に関しては、トルンカは

そのまでの作品にあったカメラワークを

一切、無視しました。

彼のスタッフは大きな違和感を感じたはずです。」

 

私は専門的なことはわかりませんが、

この作品は、

明らかにそれまでのトルンカ作品とは異質でした。

主人公は、花と陶芸を愛する道化師

 

そんな彼の家に突然

 

「手」がやってきました。

 

「手」は道化師の活動をいちいち邪魔をし

干渉します。

 

特に激しい暴力があるわけではないのですが、

 

道化師の毎日に干渉します。

 

作った陶芸も

「手」によって作り変えられます。

 

 

「手」の存在の圧迫感に

道化師は、消耗します。

 

そして…

 

トルンカは、

20世紀のチェコスロヴァキアにおいて

世界的に評価を受け、

最も成功した芸術家だと思います。

 

しかし、彼はこう言ったそうです。

 

「本当の自由を得たと思ったことはない。」

 

「手」を発表した4年後、トルンカは

この世を去っています。

 

「手」は明らかに

社会主義の世の中を批判した作品です。

でも、それを発表できたのは、

トルンカの存在が、政府も

押さえつけられないぐらいになっていたからでしょう。

しかし、彼の死後、

社会主義政権が崩壊する1989年までの20年間

「手」は、国内で一切の放送・上映を禁じられました。

 

トルンカの遺作となった「手」ですが、

セリフは全くなく、

トルンカらしく

映像ですべてを表現しています。

それまでのトルンカらしい

ファンタスティックな内容は皆無ですが、

それでも、この作品が

トルンカの代表作だという専門家は多数です。

 

視られるということの圧迫感と恐怖が、

伝わってきます。

 

見応えたっぷりの迫力の4作品!

これらの作品が揃っての上映なんて

最初で最後です!

 

 

「チェコアニメの夜 クリスマスホリーナイト」の見どころ

 

【トルンカのとティールロヴァーの作品のラスト上映】

チェコのアニメの創始者であり、

象徴的存在の

イジー・トルンカの作品の上映とDVD販売の権利が来年の3月14日で終了します。

ヘルミーナ・ティールロヴァーも

来年の1月28日終了します。

 

トルンカの

「真夏の夜の夢」

「チェコの古代伝説」

「バヤヤ」などの長編作品や

「手」などの遺作も全て

終了します。

 

ティールロヴァーの

「まいごのにんぎょう」や

「きかんしゃくん」

「ブタかいのおうじ」など

キラキラした作品も全て

終了します。

 

今回の上映期間に

今、日本で見ることのできる

トルンカ作品 24作品

ティールロヴァー作品 20作品

すべて上映いたします。

 

今回がトルンカとティールロヴァーの作品を

ご覧頂ける最後の機会になるかもしれません。

 

”詩”と”ファンタジー”にあふれた

トルンカとティールロヴァーの作品、

お見逃しなく!

 

【毎日トークショー行います!】

毎日、20:20の上映のあと

私、チェコチェコランドがトークショーに参ります。

 

おそらく世界で唯一、

チェコのアニメと絵本だけで

ビジネス展開をしている

私だけが知っている

作家や作品に関するお話を

させていただきます!

映画鑑賞の楽しさが倍増するような

お話をたくさんしますので

楽しみにしていて下さい!

(※ブラックな話も多いと思いますが…)

 

【スタンプカードで素敵なグッズをゲット】

期間中、上映にお越しのお客様に

ポイントカードをお渡しします!

1回、上映をご覧頂くたびに

ポイントを1個押させていただきます!

スタンプが4個たまるたびに

素敵なプレゼントがございます!

4個、8個、12個、16個、20個、24個、28個

7回、プレゼントをゲットするチャンスがございます!

かなり良いものを準備しています!

28個コンプリート目指してください!

 

【素敵なグッズをたくさん販売】

ユジク阿佐ヶ谷での上映ではいつも

素敵なチェコアニメのグッズを販売しています!

今回も素敵なグッズを販売しますので、

楽しみにしていてください!

 

みなさま

今年のクリスマス

ユジク阿佐ヶ谷で

お待ちしております