12月19日(水)18:40 「トルンカの未来へのメッセージ」 | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

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チェコアニメのキャラクターたちを中心にチェコの絵本などを紹介しているチェコ・チェコランドのイベント・商品情報ブログです。

12/15(土)~12/28(金)の2週間

ユジク阿佐ヶ谷で

クリスマス上映会

「チェコアニメの夜

クリスマス ホリーナイト」

https://www.yujikuasagaya.com/czech-anime-christmas2018

 

いよいよ

今週末の

11/24(土)から

劇場窓口で

各プログラム毎に

前売りチケットを発売します!

 

 

 

前売りチケットを1枚

お買上げのたびに

チェコアニメのポストカードを1枚プレゼントいたします!

22種類からお選び頂きます!

 

 

毎回、完売続出のチェコアニメの上映!

ご希望のプログラムのチケットは

お早めに

お求めください!

 

 

今回、2週間の上映で

1日2回28回の上映いたします!

そのすべて違うプログラムを上映いたします!

(※何作品か重複した作品がございます。)

合計146作品の上映です!

28プログラムの内容は↓

https://ameblo.jp/a-a-agallery/entry-12417472635.html

 

 

 

 

本日ご紹介しますのは…

 

 


☆12月19日(水)18:40
【トルンカの未来へのメッセージ】(計68分)


来年の3月14日に上映・DVD販売の権利が終わる

トルンカの作品ばかりのプログラム。

このプログラムには

トルンカの遺作「手」を収録しています。
この作品は当時のチェコの政府をトルンカ“らしく”
セリフのない映像で大きく非難しています。
トルンカの死後、20年一切の上映を禁止されたこの作品。

そして、

現在、DVD化がされていない

「悪魔の水車小屋」「電子頭脳おばあさん」

上映します。

これらの作品は

ご覧いただける希少な機会。

トルンカファンの方、

一度、トルンカの作品を観たいという方、

この機会を

お見逃しなく!

 

 

 

チェコアニメが”東のディズニー”とよばれ、

”チェコのアニメは芸術だ”と世の中に認識させ、

その多彩で突出した表現力、

そして、大いなるチャレンジ精神、

今もなお、

多くのクリエーターに影響を与え続けている

チェコアニメ。

 

以上のことは、すべて

イジー・トルンカからスタートしたといって

間違いないと思います。

 

イジー・トルンカ(1912年~1969年)

 

1930年代から40年代、

彼は、絵本の挿絵画家として

国内で名を馳せていました。

そして、人形劇団を率い、

人形作りの職人として、

非凡な才能を魅せていました。

 

しかし、1940年代、ナチス支配下のチェコにおいて

トルンカは強制的に美術労働を強いられたそうです。

 

しかし、戦後、ナチスから解放され

新たにプラハに設立された

国営のアニメーションスタジオの

”トリックブラザーズ・スタジオ”の

責任者に任命されました。

挿絵画家と人形作りの実績を買われての

抜擢でしたが、

トルンカには、”アニメ制作”の経験がありませんでした。

というより、プラハには、

アニメ制作の経験者がいなかったのです。

 

しかし、戦争中、表現の自由を奪われていた

トルンカや彼のスタッフは、

”アニメ”という未知の分野の表現であっても

表現できる喜びにあふれ、

取り組みました。

 

トルンカは1年間で

「おじいさんと砂糖大根」

「ばね男とSS」

「動物たちと山賊」

「贈り物」

という4本の短編アニメを作りました。

 

未経験の作家たちの

制作スピードとしては、

驚異的でした。

未経験ゆえ

判断に迷い、

決断に悩んだことも多かったと思います。

でも、それすら喜びとなって

トルンカは創作に没頭しました。

アニメ制作を始めて1年後の

1946年、戦後初のカンヌ国際映画祭で

制作した4本のうちの1つ

「動物たちと山賊」が

最優秀賞を獲得しました。

そのとき、参加していた

ディズニーの作品を破っての受賞でした。

 

しかし、この受賞は、

偶然の快挙ではなかったと思います。

 

ナチスから解放されたとはいえ、

社会主義国家へ向かっていた

当時のチェコスロヴァキア政府下において、

表現の規制が強かった当時、

国に対する説得力が

必要でした。

トルンカはカンヌのグランプリを

狙っていたと思うのです。

トルンカの目論見が大いに当たり、

彼は、

”詩的”で

”ファンタック”なアニメをどんどん作り、

多くの国際映画祭の大きな賞を獲得していきました。

政府は、アニメ制作、とりわけトルンカの制作に関しては

その実績により、表現のかなり寛容になりました。

 

「コントラバス物語」1949年

 

「バヤヤ」1950年

 

「チェコの古代伝説」(1952年)

 

「クチャーセクとクティルカ」(1954年)

 

「真夏の夜の夢」1959年

 

独創的で、

ファンタジックなものを

作り続けました。

 

”詩的”で

”ファンタジック”で

”高い芸術性”

これがトルンカのアニメであり、

チェコアニメのスタイルとなったのです。


1.悪魔の水車小屋(1949年/20分)
監督・美術 イジー・トルンカ

かなり久々の上映のこの作品は

トルンカ作品としては

初期にあたる1949年に創ったお話。

これらの初期の作品が

評価され

トルンカの人形アニメは”芸術”と呼ばれるようになったのです。

アコーディオンを弾きながら

旅をする

老紳士が主人公…

 

古いアコーディオンからは

いい音が出ず

行く先々の村では

歓迎されません…

 

一人の少年だけが

老紳士のアコーディオンに

笑顔で耳を傾けてくれます…

 

身も心も疲れ果てていた

老紳士ですが、

少年のおかげで

少し元気になります…

 

夜になると

寝る場所が必要です。

…古い小屋がありました。

今日はここに泊まろう…

 

少しでも

アコーディオンをうまく弾こうとし、

練習をしていると…

とんでもないものを

呼び起こしてしまいました…!

 

さあ、どんな展開が待っているのでしょうか…?

 

終始

”悲哀感”が伝わる

お話…。

トルンカは映像と音楽が

溶け合うように

人形アニメを創っています…

 

 


2.電子頭脳おばあさん(1962年/29分)
監督・美術 イジー・トルンカ

心臓が悪いトルンカは

1960年代に入り、

”死期”を悟ったのか、

今まで創ってきた

”ファンタジックな作品”ではなく

”遺言”のような作品を

遺しています。

 

「電子頭脳おばあさん」は

近未来の世界を

描いております。

 

トルンカ作品の特徴である

”詩的”で”ファンタジック”な要素は一切ございません。

 

無機的で

メタリックな冷たさばかり

伝わってきます。

 

小さな女の子が

おばあさんを訪ねますが、

無情なぐらい

”優しさ”が女の子に

訪れません。

 

文明が発展する世の中に

対するトルンカの

”大きな提言”があるような気がします。

 

 


3.手(1965年/19分)
監督・美術 イジー・トルンカ

 

トルンカがこの世を去る

4年前の1965年に発表した

「手」は、

ファンタジーでも

ポエティックでもありません。

 

チェコのあるカメラマンによると

「『手』に関しては、トルンカは

そのまでの作品にあったカメラワークを

一切、無視しました。

彼のスタッフは大きな違和感を感じたはずです。」

 

私は専門的なことはわかりませんが、

この作品は、

明らかにそれまでのトルンカ作品とは異質でした。

主人公は、花と陶芸を愛する道化師

 

そんな彼の家に突然

 

「手」がやってきました。

 

「手」は道化師の活動をいちいち邪魔をし

干渉します。

 

特に激しい暴力があるわけではないのですが、

 

道化師の毎日に干渉します。

 

作った陶芸も

「手」によって作り変えられます。

 

 

「手」の存在の圧迫感に

道化師は、消耗します。

 

そして…

 

トルンカは、

20世紀のチェコスロヴァキアにおいて

世界的に評価を受け、

最も成功した芸術家だと思います。

 

しかし、彼はこう言ったそうです。

 

「本当の自由を得たと思ったことはない。」

 

「手」を発表した4年後、トルンカは

この世を去っています。

 

「手」は明らかに

社会主義の世の中を批判した作品です。

でも、それを発表できたのは、

トルンカの存在が、政府も

押さえつけられないぐらいになっていたからでしょう。

しかし、彼の死後、

社会主義政権が崩壊する1989年までの20年間

「手」は、国内で一切の放送・上映を禁じられました。

 

トルンカの遺作となった「手」ですが、

セリフは全くなく、

トルンカらしく

映像ですべてを表現しています。

それまでのトルンカらしい

ファンタスティックな内容は皆無ですが、

それでも、この作品が

トルンカの代表作だという専門家は多数です。

 

視られるということの圧迫感と恐怖が、

伝わってきます。

 

「電子頭脳おばあさん」と

「手」

この2作品を連続してご覧頂きますと

トルンカの

未来への

”メッセージ”が

聞こえてきます。

 

こんな機会

恐らく最後です。

 

 

「チェコアニメの夜 クリスマスホリーナイト」の見どころ

 

【トルンカのとティールロヴァーの作品のラスト上映】

チェコのアニメの創始者であり、

象徴的存在の

イジー・トルンカの作品の上映とDVD販売の権利が来年の3月14日で終了します。

ヘルミーナ・ティールロヴァーも

来年の1月28日終了します。

 

トルンカの

「真夏の夜の夢」

「チェコの古代伝説」

「バヤヤ」などの長編作品や

「手」などの遺作も全て

終了します。

 

ティールロヴァーの

「まいごのにんぎょう」や

「きかんしゃくん」

「ブタかいのおうじ」など

キラキラした作品も全て

終了します。

 

今回の上映期間に

今、日本で見ることのできる

トルンカ作品 24作品

ティールロヴァー作品 20作品

すべて上映いたします。

 

今回がトルンカとティールロヴァーの作品を

ご覧頂ける最後の機会になるかもしれません。

 

”詩”と”ファンタジー”にあふれた

トルンカとティールロヴァーの作品、

お見逃しなく!

 

【毎日トークショー行います!】

毎日、20:20の上映のあと

私、チェコチェコランドがトークショーに参ります。

 

おそらく世界で唯一、

チェコのアニメと絵本だけで

ビジネス展開をしている

私だけが知っている

作家や作品に関するお話を

させていただきます!

映画鑑賞の楽しさが倍増するような

お話をたくさんしますので

楽しみにしていて下さい!

(※ブラックな話も多いと思いますが…)

 

【スタンプカードで素敵なグッズをゲット】

期間中、上映にお越しのお客様に

ポイントカードをお渡しします!

1回、上映をご覧頂くたびに

ポイントを1個押させていただきます!

スタンプが4個たまるたびに

素敵なプレゼントがございます!

4個、8個、12個、16個、20個、24個、28個

7回、プレゼントをゲットするチャンスがございます!

かなり良いものを準備しています!

28個コンプリート目指してください!

 

【素敵なグッズをたくさん販売】

ユジク阿佐ヶ谷での上映ではいつも

素敵なチェコアニメのグッズを販売しています!

今回も素敵なグッズを販売しますので、

楽しみにしていてください!

 

みなさま

今年のクリスマス

ユジク阿佐ヶ谷で

お待ちしております!