シュヴェイクの笑顔の裏側 | チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

チェコチェコランドのイベント・商品情報ブログ

チェコアニメのキャラクターたちを中心にチェコの絵本などを紹介しているチェコ・チェコランドのイベント・商品情報ブログです。

いよいよ来週6/18(土)18:45~

渋谷のアップリンクの

チェコアニメの上映とトークのイベント

「This is チェコアニメ!2016」

今回は、

”ビールの国”チェコの

お酒のシンボル、

楽しい兵隊さん、

”シュヴェイク”の映画で特集です!

舞台は第1次世界大戦の前線。

 

しかし、空気の読めないシュヴェイクの言動が

緊張感だらけの戦地のはずが、

緩い空気が蔓延します(笑)

 

 

上官の中尉のトランクが

シュヴェイクの不注意で

紛失…。

 

しかし、のどかに窓から外を見るシュヴェイク…

 

怒りが収まらない中尉

 

しかし、空気の読めないシュヴェイクは、

壮絶な説教中でも、

呑気な表情で、脱線して世間話を始めます。

 

 

こうなると音を上げるのは中尉。

これがいつものペース。

 

こんなやりとりをさらに上官の監察長官に見られ、

逆に中尉が、監督不行き届きで

大説教を食らうことに…

 

もう怒りが収まらない中尉。

 

鉄拳が炸裂するそのときも

シュヴェイクののどかさは変わりません。

 

ついに根負けする中尉。

 

 

はずみだシュヴェイクが列車を止めてしまったとき、

中尉は、心置きなく、シュヴェイクを見捨てます!

 

逮捕されるシュヴェイク

 

でも、なぜか、バーでビールを飲む余裕が…

 

上官の荷物を失くす。

説教中に無駄話。

列車を止める。

……その他、さまざまなことを

やらかしますが、

シュヴェイクはいつも平和で呑気です。

 

でも、この時代背景は、

なかなか過酷なのです。

 

作者のヤロスラフ・ハシェクは

自ら兵隊としてロシアに行っています。

向うで捕虜になった経験もあるそうです。

 

その体験を”シュヴェイク”の物語に描いたそうです。

でも、戦争体験が、こんな愉快なわけがございません。

壮絶なはずの戦争体験を

あえて、コメディーにしているのです。

 

その裏側としては、

当時のチェコの時代背景がございます。

 

当時チェコは、オーストリア=ハンガリー帝国に

統治されており、

国のためにというより、

支配者のハプスブルグ家のための

戦争なので、鬱屈(うっくつ)した感情が

国中にあったと思います。

他民族からの支配を受けていた

チェコの人々にとって、

どんなときでも、

呑気にお酒を飲んで、

おしゃべりに興じるシュヴェイクは

元気と明るさをもたらしたのでしょう。

 

チェコのお話は

どんな悲惨な時代でも、

物語はとてものんびりしています。

特に2度の大戦があった

20世紀前半に人生を過ごされた作家は、

若くして人生を終えた方も多く、

チャペック兄弟も第2次世界大戦が終える前に

短い人生を終えています。

 

でも彼らが描いたお話は

とても穏やかでのほほんとしています。

 

オーストリア=ハンガリー帝国の支配を乗り越え、

ナチスの支配を乗り越え、

その間、愉快なシュヴェイクは、

ビール好きのチェコの人々にとって

大きな”ヒーロー”だったのかもしれません。

 

チェコでは今でも

多くのレストランバーで

シュヴェイクのイラストがございます。

さて、そんなシュヴェクの物語が

1954年

”チェコアニメの父”イジ―・トルンカによって

人形アニメの映像になります。

 

こんな名作を

私は、

6月18日(土)の

渋谷のアップリンク

「This is チェコアニメ!」で

著作権にまみれた

”大人の話”をするのですね(苦笑)

 

かなり濃い内容になると思います(笑)

 

あと、残りのお席が4席だそうです。

ご予定が空いているようでしたら、

ご予約お願いいたします!

http://www.uplink.co.jp/event/2015/41822

 

当日、楽しみにしていてください!