二人の騎士と古老龍は、ある王国の王に選ばれし10億人の戦士と戦っていた。
「くっ、何日目だこれ…体力保たねえぞ」
半年前ー
「貴公は、我が願いを聞き届けられぬと云うかロディーヌよ」
「王よ、その願いは無理でしょう…民の命を犠牲にし古の四聖皇を蘇らせ世界を支配するというのは」
「王ならば、誰だって夢を見るものだ。叶えようとするのは罪だというのか?」
「やり方がおかしいと云っているのです。…そんなことせずとも他国が着手していない事をすればいずれはー」
「このメディスに逆らうか…なら、我が権限において命ずる。ロディーヌ レッドは現時刻をもって騎士団及び騎士長除籍と剥奪を命ずる」
「!!!」
その時、扉が開く…
「お待ちください王よ」
その間に現れたのは、龍治士のセラニム
「ほぅ…龍治士のセラニムか。ロディーヌに寛大なる処置を求めにきたか」
龍治士のセラニム
龍の扱いに長け、剣の腕もロディーヌと互角である。
龍と戦い、傷つき助けられた為…己もまた龍の傷を癒やし、龍より与えられし栄龍契により治龍士となる。
古老龍【シンフォ】を従えており、シンフォは元は龍騎士長であったが千年以上前に龍の呪いを受け…龍となり畏れられる存在になった
シンフォの討伐を命じられたのがセラニムだった
セラニムは、治龍士としてシンフォの心を癒やし…永年、傷ついた身体を治療し契約したのだった。
「王よ、彼を追い出すならば…私と古老龍シンフォを共に追い出して下さい」
ーーー!
「おい…」
「黙れ。私は、お前を失うならば…共に去ることに何も躊躇いはない」
「ふむ、そうか。ならば…望み通りにしてやろうではないか。ロディーヌとセラニム両名はこの城の出入りを命ずる。二度とこのメディスの前に現れるのを許さん」
ーー「はっ」
「まったく…お前について行かなきゃ良かったな。」
「そうかよ。で、セラニムは立てるのか?ボロボロじゃないか」
「それはお前もそうだろ?ロディーヌ。シンフォ…いけるか?」
『遺る力は僅かだが、セラニムよ…主とロディーヌと共に戦えるのならば死しても悔いはない』
「よく喋る龍だな。だが、これ以上の心強い仲間はいないな…さて、と行くか」
「ふっ、確かによく喋る龍だよな。が頼りになる、行こうかシンフォ」
『まったく…貶したかと思えば、誉めてるのか?お前達は見ていても飽きぬな。行こう!道と未来を切り開く為に』
ロディーヌ達は、10億の戦士達の内…半分を倒したがメディス王は手を緩めない。
ロディーヌとセラニムに新たな力が目覚め始めている事にまだ王も彼ら二人も気付いていないー
気付くのは…そう、あと少し
シンフォは気付いていた…
その力の引き換えに己が死することをー
覚悟を隠し、その時まで闘う。
その時が来るまで