日本のアニメや映画は世界の映画作家に大きな影響を与えている。23日全国公開の3D映画「タイタンの戦い」のルイ・ルテリエ監督(36)は、人気漫画「聖闘士星矢(セイントセイヤ)」の影響を受けたと公言。配給元のワーナー・ブラザースは、原作者の車田正美さん(56)に映画のポスターを依頼し、夢のコラボレーションが実現した。
「トランスポーター」シリーズなどで知られるフランス出身のルテリエ監督はインタビューに対し、「フランスで小さいころから日本のアニメを見て育ってきた」と打ち明ける。
「タイタンの戦い」は、創造主ゼウスと人間の母の間に生まれたペルセウス(サム・ワーシントン)が、人類の宣戦布告に激怒してゼウスが解き放った魔物らと戦うスペクタクル大作。ルテリエ監督は「神々のクロス(鎧(よろい))などの衣装に表れているよ」と、同じくギリシャ神話をモチーフにした「聖闘士星矢」の影響について語る。
これを知ったワーナー・ブラザースは、車田さんにオリジナルを基にしたポスター計4種類を依頼。車田さんは「誰もが知っていながら誰も知らなかった物語の扉が、ついに開かれた。この日がくるのを半世紀待っていた」というコメントを寄せた。東京ではJR渋谷駅や新宿駅など10駅で25日まで張り出される。
ルテリエ監督以外にも、日本文化の影響を受けたと語る映画監督は多い。
「この前、ゴジラ映画を見た後に、巨大なロブスターが出てくる夢を見たよ」
日本の特撮映画の熱列なファンというティム・バートン監督(51)は、3月に「アリス・イン・ワンダーランド」のPRのため来日した際にこう話し、場内を沸かせた。
監督作「マーズ・アタック!」では、東宝の「ゴジラVsビオランテ」の暴れるゴジラの映像を引用したバートン監督。公開中の「アリス・イン・ワンダーランド」は、不思議の国に迷い込んだ19歳のアリス(ミア・ワシコウスカ)が、赤の女王の暗黒政治から解放してくれる伝説の救世主として住人に迎えられ、一緒に立ち向かう。
バートン監督はインタビューで、「子供のころから怪獣映画が大好きで、これまでも僕のデザインに反映してきた。今回も赤の女王や家来のカエルのデザインが日本っぽいんだ」と教えてくれた。
日本アニメの大ファンというのが、公開中の異色SF映画「第9地区」のニール・ブロムカンプ監督(30)だ。特に緻密(ちみつ)なディテールのイラストなどでファンの多い漫画家、士郎正宗さん(48)のファンを自任する。
今回の映画に日本アニメの影響はないというが、電話インタビューでブロムカンプ監督は「出身地の南アフリカからカナダに移った1998年くらいから日本アニメを見始めて、かなり影響を受けている。士郎さんは『アップルシード』や『攻殻機動隊』以外のアートブックや画集も持っているくらい好きなんです」と、その“オタクぶり”を披露してくれた。