今、公家の舟橋秀賢の『慶長日件録』を読んでいます。
先祖、佐久間備前守安政との交流が、盛んに行われているのを見るのが目的でしたが、秀賢たちが生きた時代は何と不思議な時代だったのでしょうか。
関ヶ原ノ合戦が終わり、大坂ノ陣までの十年間ですが、東には徳川政権が、西には豊臣政権が両立しています。
公家である秀賢たちは、大坂城に淀殿や秀頼を訪ね、安政の仲介により江戸の徳川秀忠の室・江を訪ねています。武家たちも東に西に忙しく立ち回っています。お互いにも祝儀や品物のやり取りが盛んに行われています。
日記を見る限り、日々の生活に緊張感がまったくありません。本当に不思議な時代です。
思わぬ収穫もありました。安政と秀賢の奥方同士が姉妹だったようです。共に公家・勧修寺晴豊の娘なのです。一族の交流が実に盛んにあります。
公家や僧侶の日記は歴史史料として本当に一級品ですね。