何処まで続いているのか。誰に尋ねても答えられない。
この足がいつまで歩みことができるのか。私も答えられない。
時を捕らえたくてウロウロするのだけど、するりするりとまとわりついては、逃げていく。

悟っちゃえば、きっと楽になれるんだろう。
そう、ゴータマシッタルダは、世界一楽に生きたのだろう。

もどかしげに右往左往しているばかりで、確たるものは何も得られず、ただただ思い込みだけを頼りに今を生きている。

爽やかな風を寝床に、わずかな午睡を貪るその瞬間だけ心が青く透き通る。

私は私を私に
私が私も私で
そして
あなたは?
古びた垣根にまとわりついて、深紅の花弁を纏い妖艶な芳香を漂わせている。その姿と匂いに惑うことなく、すり抜けようとすると、鋭利な棘が皮膚を引き裂き赤い血を滴らせる。
その流れる血を見て花は笑っているようだ。
ずんぐりと黒い毛羽立つ身を持つクマンバチは、ブンブンと威嚇の如き羽音をさせて飛び交っている。図体とは違う質(たち)とは、知りながらはたき落とされることがない。
鉤裂きに破れた心から見えるのは、やけに艶やかで濡れた憎悪と愛想笑い。触れれば、涙に似た体液と腐敗が始まっていく。

見えようが、
見えまいが、
見てようが、
見ないでいようが、

私はいて、私を綴っている。


胸が張り裂けそうになったからといって、心臓が破裂するわけじゃない。
涙枯れるまで泣いても四肢が溶け出すわけじゃない。
お前たちに罵倒されて、心乱し狂おしいほど怒りがこみ上げても、拳を握りしめることはしない。
安穏と垂れ流す時間と共に息をしアルカイックスマイルを絶やさず存在しているのか。

悟ることの気楽さを覚えたなら、自由という檻から、するりと抜け出して、時の流れに身を委ねよう。
手するものは僅かな情けと見栄の一片でしかない。それでもまだ得ようと身を捩るのか。

澄むことない流れの中突き出した白い石にしがみついて、辺りを見渡して何が見えるというのか。

紫に暮れる東の空と、白濁した西の水平線の間で命の灯りを点して、そして逝く。