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魔法使いと僕1 (オーバーラップ文庫)/オーバーラップ


【少年は故郷と同胞を奪われ一人だった。

少女は旅の荷物さえ失い行き倒れていた。カルルとエルシー。

貪るように拡大を続ける「帝國」の辺土で二人は出会う―。

人と亜人。名も無き小村で身を寄せあい暮らすひとびと。

命は散り、花は咲く。

コルタポ。辺土の商都。

そこではひとがひとを売りさばき、ひとがひとを所有する。逆らいがたきその現実。引き離される二人。果たしてそれは運命なのか。巻き起こる騒乱。糸を引く者。引かれる者。あらがう者。うつむく者。前を向く者。

「ひとを救うのって、簡単じゃないよ。きっと」「死ぬなんて、だめです!」

少年と少女が“生きる”意味を求めて旅する珠玉のファンタジー、ここに開幕!】



却下。


■ 感想とかネタバレとか


お前にとっての種は誰かにとっての命だよ!!!! とちょっと怒ってるけどそれ以上に

で!? て感じの1冊だった。

いやあだって

行き倒れの女の子起こしたらナイフで突き刺され、そのまま負ぶって近くの村まで行って

泊めてくれた夫妻と瀕死状態の娘さんに会って… てなんか…

できすぎてるって以上に…整いすぎてる…

そこでぽぽんと「魔法」を使っちゃうのそうだし、二重人格? なのも捨て置かれ、その後旅は道連れで流れ流され二人旅、門で捕まって少年だけ牢獄行き。

エルシーの回想シーンでの「人間の悪魔」とカルルの「じじ」をはさみつつ。

本編詰まんないのでむーって感じ。

カルルも最後は能力使うし、ていうかあれ、あの荷物、誰かの形見とか聞かされても驚かないけど、ちゃんと回収させたげて! 頼むから!


亜人にしろ魔法にしろ、出すだけ出されて、当事者の熱気と理論が暴走しちゃってて、正直取り残されてぽかーんである。

個別認識する前にバタバタ死んでく。死んでくのは「まあ、十文字さんだし」で別にショックとか衝撃とか悲しいとかじゃないからいいにせよ。バタバタ殺してくあの意味はなんだったんだ。

レジスタンスやるにはいろいろ足りない。あの優秀な軍人さんもまだ尾を引きそう。

ネズミ一団はかわいかった……まあ死ぬけど……それでもかわいかった……!


「彼はいい的だった」と「たったそれだけの距離でしかなかった」が好きだ。

「たったそれだけの距離だった」でなく「でしかなかった」がいいよね!

戦争における物量と火力の強さって変な言い方だけど暴力的に強い。根こそぎ奪っていく。

オーバーラップ文庫。たぶん、お初。


イラストレーターは細居美恵子さん!