棺の皇国 獣なる魔道士たちの宴 (ビーズログ文庫)/KADOKAWA/エンターブレイン
¥605Amazon.co.jp

【白と黒の魔道士が争うグリザド皇国。
身寄りがないリリーは挑んでくる相手を全て跳ね返してきた―第二皇子バルドと出会うまでは。
初めての負けを経験してから七年。無口で無愛想、『雷獣』と呼ばれるバルドは将軍に、リリーは補佐官となって戦場を駆け抜ける!
孤児と皇子。
いつかは離れるとしても、戦うことが全ての二人は身を寄せ合うが、第一皇子ラインハルトの命で関係は一変して…!?】
アマゾンから引用


■感想とかネタバレとか

劣勢の主人公側が最後覆して終わる、というのは読んだことあるけど、こんなに「主人公側が劣勢のまま終わる」というのは珍しいなあ、と思いながら
しかも劣勢の理由もフォローのしようがなく、どうも浮上しない空気が最初からあったし、それをどうにかしようとする主人公勢でもない。
ので、「このまま行方知れずかなー」と思ったら着地がそんなでもないので、「なにこれどこでどう収集つけるの」と探したら、続きがまさかの「小説を読もう」でたいへん驚きました。
お、お世話になってます。
2巻、出版はされてないっぽいので、ネットで読むかーなー……。


杖といい剣といい、要素としてはファンタジーで…なんだろう…
盤上の駒というか、2人ともそんなに窮屈にしてはいないけど全体的にはだいぶ暗い空気だし(なんせ劣勢だから)、離反も死亡も増えているっぽいし(なんせ劣勢だから!)、それらの情報に触れる立場でありなら権力を持たないってのがまー にっちもさっちもいかないよね!
フラストレーション溜まりそうだな。
でも2人にとっては咬みつけあえないことのほうがストレスたまってそうなのが。

バルドにとってお兄さんとあの子でどっち選ぶんだろ、と思っていたら、ねじくれているので「あ? ああ……うん? うん」な感じ。
おにーさん喰えないのは知ってたけど。眼鏡坊やも喰えないのは知ってたけど…。
時々「わたしがあなたの理由に成り得なかったように、あなたがわたしの理由には足りなかったのは、悲しむべきことか?」を考えるけど、リリーにとってこの国を「選んだ理由」ではないが「最後の砦」が「バルドの居心地のよさ」が理由であって、「バルド」ではねーしな。
なので途中ふわふわしてる。
最後になるとまた変わるけどーなんだーい! て感じ。

戦うことがすべて、というのはまあ(少女レーベルにしては)というのがつく。
続編か作者本人をお気に入りには登録したはず。


イラストレーターはLaruhaさん!