B.A.D. 9 繭墨は人間の慟哭をただ眺める (ファミ通文庫)/エンターブレイン
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【「嘆こうが悔やもうが、それが君という人間だよ」
チョコレートを囓りながら繭墨あざかは言う。
唐繰舞姫の足を奪い、復讐を果たした嵯峨雄介は失踪した。
久々津は雄介を殺し、自身の死をもって主を守れなかった償いをするという。
この憎悪の連鎖を止めなければいけない。彼が死ねば僕は一生後悔する。
久々津の拷問から逃れた僕は、駆けつけた白雪の助けによって雄介の行方をつきとめるが――
残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー第9弾。】
(アマゾンから引用)


久し振りに読んだら、

■ 感想とかネタバレとか

あまりにも小田桐くんは小田桐くんで、あざかさんはあざかさんで、久々津は久々津で、白雪さんが白雪さんだったから、
少し笑ってしまった

いやーそして変わらず小田桐くんは軽やかに地雷を踏みぬけて行くのでびっくりするわー
「わかってやれなくてごめん」を読んだ瞬間は、わたしが思う意味じゃないとは知っていても一瞬沸騰して、その次に冷えた
いつもいつも被害妄想が走って、「さも誰かがあなたに〝理解〟を望んで、あなたがそれをできなかったから謝ってる風だけど、謝られた側はどうしろと!?」と思う
どうしようもねーだろ。絶望的に広がる〝間〟を、薄々感じていたって、最後通牒突きつけんなよ! 泥沼以下じゃねえの。喧嘩すらも出来ないような感じだ。
謝られたって、だからって、どうしろっていうの。受け入れろと? 少なくとも自分には無理だ。
謝罪されて、その謝罪を受け入れたら、もう二度とそのことに関して、その人に「期待」出来なくなるからかな。「期待をするな」と言われているような気でもしているのか。

久々津は嵯峨くんを捜して、あさとは他人の願いを叶え、白雪さんは小田桐くんに寄り添い、舞姫はひとりで自分の所有物を思う。
ヒルガオの描いた絵に泣いた嵯峨くんに反吐が出そうだった。
久々津が、久々津がってか、〝犬〟はすげー好きだから、つながりで好きになった気になってたけど、自分のことを犬という犬は嫌いっぽい。どうだろ。ロイ・マスタングとエドは言ったかしら… 1回くらいは言ってる気がする。

駄犬が。
犬なら犬らしく最期まで犬でいればいいのに。犬が人間だろうが、人間が犬だろうが、久々津の場合は過程込みで知ったこっちゃねーんだよ、でもその自我と自意識を自分で〝犬〟に固定したのなら思い込もうとしたのなら最期まで自分を騙しきってよ。
立ち位置と役割間違えるなよ、「舞姫の足を奪った嵯峨くんを殺したい久々津」の図の再現をするなら、「小田桐くんの左手を奪った久々津に怒る白雪さん」の図だろ!
左手を奪われた小田桐くんが、奪った久々津が死んだからって許すかどうかって、今、関係ないよね?
足を奪われた舞姫が、自分の足で彼女の足を贖った嵯峨くんを許してる、っつーか、最初っから舞姫は自分の足が奪われた結果を受け入れてるんだから
この場合は白雪さんが久々津を許すかどうかだろうよ…

腹の鬼が成長してきてたし、今回めっちゃ出血してたけど、小田桐くん死なないなあ
8巻読んだの2年前、いつの間にかシリーズ完結していて、新刊も買ってないけど、あざかさんは、さいご、死ぬのかなあ
死ななそうだなあ。
小田桐くんって一人称怒ってるとき俺になるよな、足を欲しがった女の一人称が一回だけ「ボク」だったんだけど(それ以外は「僕」)あれはなんだったんだろう…
話し言葉だと一緒でも書き言葉だと「わたし」と「私」は違うし、「俺」「おれ」「オレ」も違うよねって話

嵯峨くんの臆病な所が好き
だった 気がする。
最早なんで好きだったのかも忘れて「好き」だけが残ってる。

イラストレーターはKonaさん!


B.A.D. 8 繭墨は髑髏に花を手向けない (ファミ通文庫)/エンターブレイン
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