大正空想魔術夜話 墜落乙女ジヱノサヰド (電撃文庫)/岬鷺宮¥616Amazon.co.jp

【「號外」“墜落乙女”活キ人形と交戦す。
昨夜深夜。再び「活キ人形」上野に現はれる。帝都民に襲い掛るも、此れを屠る謎の乙女現はる。目撃者談に拠れば高所から墜落せしめ此れを撃退せり。
 時は大正、帝都・東京。今般、帝都民に悪夢を齎すのは、螺子巻き仕掛けの異形の化物「活キ人形」と、謎の魔術によってそれを悉く凄惨に屠る、異端の少女・墜落乙女。
彼女を追う少年記者・乱歩が追跡の先に見るのは、誰をも寄せ付けない少女がその裏に隠した真実か、それとも…。
血染めの美少女と堕ちる、鏖の暗黒夜話へようこそ。 】
(アマゾンから引用)

こういうのなんていうんだっけ

■ 感想とかネタバレとか

〝虫唾が走る〟?

100年後設定出てきちゃってパーンしたかも
それまではまあ言いたいことはあれど殺戮ひゃっほー(*´∀`) てなってた

帝都に突如出現した「人形」とそれを殺し尽くす「墜落乙女」
追いかける「記者」と、奔走する「警官」、付き添う「看護師」、役立たずの「警視」に、喋る蝙蝠。


〝気に食わない〟ではないし、怒ってもない、不愉快に近いけど違う
なにが嫌って「全幅の信頼を寄せていた」人に「裏切られた」と思ったからって思考と行動放棄してなにもしない輩ですよ本当お前主人公の看板降ろしたらいかが!
絶望万歳だけどまだ落ち足りないってか苦しみ足りないってか。もっと涙も出ないくらい乾いてくれていいのですよ。
なにこの愚物レベル、そこらの脇役が喚いている分にはまだ「ああうんそうですか大変ですね」で済ますけど、そもそもそれ程落ち込むことなのか!?
「正義感」の言葉は付随して「溢れる」や「振りかざす」だし、「正義感」を聞くたびに思う青臭さをなんともしがたい。
有川浩さんの図書館戦争の手塚弟は当初「正義感」という言葉が似合う青年だったけど変わった、高殿円さんのトッカンのハスキーを表現するなら「正しい」だ、あれは我ながら珍しく、認めたくないくらいに「正し」かったからよく覚えてる。

で? 正義感ってなんだっけ?
戦隊ものでもよく使われてそうだな。意外と魔王討伐の勇者系RPGでは使われてないかも。
そも「正義」と「正義感」が違うよな…後者の方が主張してる感じ。心の中/心の持ちよう。
記者はなにがトラウマ(この言葉も好きじゃねーな)だったんだろう、「冤罪」? 「正しくないこと」?
父親誤認逮捕されて苦しんだ過去を話した直後に冤罪で捕縛って素敵な展開だなーって思っただけに、記者はなにがショックでなにに絶望したのか読み取れなかった
記者が警官を信頼した理由もよく解らなかった。
記者的に殺人はもうとことんNGなのな、最小限の被害で最大限の幸福を、とはいかんのか
それ自体は勿論記者さんの自由だし、批判するなら批判する、選ぶなら選ぶでいいけど、立場はっきりせんかいてなった。
記者の仕事が民衆に事実/真実を伝えることだとしていて、ご立派な意志でよいのだが、それがどれだけ難しいかって、作中でもあったのに(事実に基づいた地味な描写より、派手で不安をあおる見出しの方がよく売れる、あたり)
なのになんの対策もしない。
地道かつ誠実な行動が評価されればいい、とは思う。思うがしかし。


結局〝地獄に落ちる〟なら落ちなさいな。
でも進んで落ちるのと落とされるのと渋々落ちるのでは大分違う!




帝国陸軍歩兵隊が、愚物の警視の命令に従う迄の過程を知りたい。
大正期の中央官庁の構成はさっぱり知らんがおそらく組織違うはず… 警察と軍隊なのになぜ警視の命令に従ってたんだろ。
読んでて思ったのは、大正って今でいう機動隊みたいなのなかったんやな、機動隊のウィキ思わず見たわ。
警視さんは警官の独断行動としてお前が責任とれよって言ってたけど部下がしでかした責任は連帯で上司では…? と思っていただけに なんだこいつアホだな と思っていた、逃げ方が上手い奴なのか。

一行目が雰囲気あってよかっただけに残念、言いたいのは殺人の是非なのか、人や正義の定義なのか、真実の伝達の困難さなのか

イラストレーターはNOCOさん!
かわいい! 中もよかったー 好きだー