アイ・アム・レジェンド (ハヤカワ文庫NV)/リチャード・マシスン
¥660Amazon.co.jp

【【ウィル・スミス主演映画化!】
夜が来る。ネヴィルは一人、キッチンで夕食の用意をする。
冷凍肉をグリルに入れ、豆を煮る。
料理を皿に盛っているとき、いつものように奴らの声が聞こえてきた。
「出てこい、ネヴィル!」……
突如蔓延した疫病で人類が絶滅し、地球はその様相を一変した。
ただ一人生き残ったネヴィルは、自宅に籠城し、絶望的な戦いの日々を送っていた。
そんなある日……
戦慄の世界を描く名作ホラー、最新訳で登場!(『地球最後の男』改題)】
(アマゾンから引用) 


■ 感想とかネタバレとか

吸血鬼vs人類 かと思ってたら、多数派vs少数派だった。
基本的には飲んだくれてるおっさんが、食料調達・発電機管理・吸血鬼殺害・籠城しつつ、飲んだくれて、奥さんと娘さんとの回想シーンが入って、飲んだくれて、自暴自棄になりながら研究して、殺してるお話。

詰まんない、っつーか楽しい言い回しがない? ので、なんだか何事もなく始まって何事もなく終わったようだった。
犬とかいたけど。何事もなかったように死んだときはびっくりしたが(だってあんなに時間と根気をかけて仲良くなったのに!)。精神的に安定するとお酒も減るらしい。
最後の、「アイアムレジェンド」が好きだった
このタイトル、すげえダサくてなんじゃこりゃと思ってたんだけど、最後のあの一文はよかった方。

本書は、一九五八年に『吸血鬼』としてハヤカワ・ファンタジィ、一九七一年に『地球最後の男/人類SOS』としてハヤカワ・ノヴェルズ、一九七七年に『地球最後の男』としてハヤカワ文庫NVで刊行した作品を、訳を新たにして改題したものです。


とあったので、ずいぶんいろんなものを経ているようである

小説の「アイアムレジェンド」は同名の映画とはかなり違う終わり方だったとか、……上で「多数派vs少数派」って書いたけど、これ善悪の逆転? だったの?
だって多数派だって吸血鬼殺してるって言ってたから。「脳の機能を失った、たったひとつの目的のために動いている」奴は殺していいんでしょうあの女の理論だと。
感染かつ理性的(?)な側が集まって作った新しい「組織」が、免疫のある(感染していない)「人間」を、仲間を殺された恨みで殺すんじゃないの。
主人公が殺した「吸血鬼」の中には、そりゃ仲間もいたんだろうけど、双方の側から見て「敵」だった奴もいるんだよね?
あ、だからあそこで、主人公を襲撃して来た組織側が、主人公のかつての友人を殺すのか!
誰かにとっての敵は他の誰かにとっての友? 組織側で秩序立ってればいいけど今の所原始的な印象。
感染側/非感染側に分かれてやってることは仲間殺されたから殺すってだけで、人数多い方が勝ったってことでは。感染側に賛成できないのは殺し方に疑問を持ってるからだろうなー。