逢魔ヶ時あやいと倶楽部―召喚少女の守護人形 (メディアワークス文庫)/黒狐 尾花
¥620Amazon.co.jp

【雪のように白い肌。黒檀のように黒い髪。血のように赤い唇。
その美少女の名は、紫榊銘といった。
彼女は、感情が高ぶると、無意識に妖怪を“召喚”してしまう体質であった。
制御できない妖怪に狙われる銘。そんな彼女を守るため、『弁慶』と名乗る少年が付き従う。
彼の正体は、“社人形”―少年の姿をした対妖怪用呪術戦闘機。
銘の日常が、『非日常』に変わる―。これは、不思議な学園異能奇譚。 】
(アマゾンから引用)

■ 感想とか色々

ハロー、悲劇のお姫さま!
お久しぶりです、随分とまあ…… 本当に、久し振り…では……?
感情が高ぶると妖怪を呼んでしまう女の子と、その苦悩を取り除くため独学で妖怪を返し姉が傷付かないように努力した弟と、失踪した実父、手紙を残して祖父に自分達を預けた実母
祖父に仕える二人の男女(佐助と清花)に、お姫さまにつく人形、弁慶
祖父の家に預けられ、事情を抱えた生徒が通う学校に転入し、事件に巻き込まれたり協力したり

弟の放置が気の毒
なんですが。あれ。えー……、姉ちゃんは俺が守る! と頑張って呪術覚えて日々奮闘しているのに、その役目は弁慶に奪われ(能力的にも弁慶のが上)、姉ちゃんの帰りが遅いから心配になってじーさんとこ問い質しに(襲いに)行ったら、猿ぐつわと手錠で放置。
その後、銘と弁慶が巻き込まれた事件の餌として利用され、それについてのフォローも全くなし。彼の不安は取り除かれないまま。
なにより、こいつの〝姉ちゃん〟はこいつを置いて自分だけ死のうとしてた
あれは、死のうとしたとき、ちらとも弟のことを考えなかった、2人、訳も分からず初めて会う祖父に連れて行かれた先で、弟を置いて。
悪意の言葉ばかりを拾い、自分の痛みにかまけて、あなたを慕い守ろうとする人間を見ず、その言葉に耳を傾けないで、〝孤独〟だとほざくのって、嗤う所?
自分が傷付き自分で傷付け自重に耐えられなくなって、殺されようとした、
あの子が、とても、嫌いです

とはいっても弟の方も「わーお」と思っていたので好きなのと聞かれれば「いえ、全く」。だってあの子キレるの早すぎるし、呪い屋と蔑まれながらその呪いじみた力を相手の報復に使うのは助長させるだけじゃね?と全力で思った冒頭。いやホント馬鹿なのこの子。じーさんとこに姉の行方聞くときも暴力行使だし、腹刺したら喋ってくれねーじゃん、拘束して爪剥がせばよかったのに。

銘が転入したクラスも「デレ期キタァーッ!」とか「クーデレ。萌える……」とか、ちょっと、本気で、大変申し訳ないのですが、無理。なにこれ気持ち悪い。
佐助もツンデレについて喋ってるし、なにをしたいのかよく解らないけど、気持ち悪かったので気持ち悪い
「運動会でハレハレ」は笑いごとで済ませるし、文化祭のメイド喫茶もネタだから楽しめるんだけど(飽きることはあっても)、なにこのクラス気持ち悪い
そういえば「クラス」って30人(40人?)で1人の意志みたいに動かしてるよな、精々敵対勢力(賛成と反対/優等生と不良/対立要素)がいるくらいで。クラスに数人はグループに所属せずふらふらしている奴だっていると思っているんだけど、そういうのはザッと消して多数派(或いは声の大きい人達)だけでの構成。


弁慶は、もっとざくざくあの女の子刺してよかったよ(笑)、ぐつぐつじくじく傷付けて塩塗りたくってほしかった
途中から事件の解決に協力するのでアユミ(ハイテンション、会話の中で「~」を多用するので馬鹿っぽい/クラスと同じく若干「気持ち悪い」)とお友達(?)になっていたり
会話の中で「~」を多用の一例:「頭がたっかぁ~い、ひっかえおろぉ~う!」(p212)
アユミは魔女と人間の間に生まれた息子さんと幼馴染で、あやしいものに興味があるだけの、おそらく一般人。学校の生徒にはサイコキネシスとかもいるらしいのですが、この子も何某かの事情を抱えているのか、それとも素で一般人なのか。
教師もある程度事情を知っていたりするのに、なんで生徒だけで解決してるんだ?
「事情を抱えた生徒」が通う学校の先生、もうちょっと頑張れ。
でないと、わざわざそこに預ける意味がない。「学校のことは学校でなんとかする」と言っていたが、「生徒のことは生徒でなんとかする」じゃないだろうし、主犯の子もとある家の直系だというのに、なぜ一般の学校行っていたのか、それとも幾つか「事情を抱えた子達の通う学校」の姉妹校とかがあるのか。女の子だったから特に重要視されず放置? 引き取ったのに保護者テキトーに宛がい過ぎだろ。

弁慶と銘の関係は、「はあ、そうですか」と思ったくらいで
順当に王道に仲良くなっていたので
独り善がりの人間が多いなあ、言葉を曲解している弁慶も弁慶だし、言わない銘も銘だしで。

イラストレーターは甘塩コメコさん!