メサイア 警備局特別公安五係/高殿 円
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【超軍縮時代に突入し、水面下で熾烈な情報戦が繰り広げられる世界――。
対スパイ殺人権をもつ特公五係、通称“サクラ”の候補生・海棠鋭利と、その相棒・御津見珀は、総理大臣の息子の護衛を任されるが……。 】


〝女みたい〟だった

■ 感想とか色々


頭から砂糖水かけられて、最初は上澄みだからサラサラだったのに、途中から瓶の底の沈殿物も落ちてきてドロドロ
もっとドライかと思ったのに、想像してたよりは乾燥してなかった。



〝世界の改心〟調印後の日本
継続するか破棄するかの決断は、サミット終了の1か月後の衆議院選挙にも影響する
軍縮させられた国土防衛隊のほとんどは警察に入り、再軍備の日を待っている
外務省は日米同盟を保持し続けたいので、継続派のアメリカ側に付きたい
外務省=アメリカ(米加) vs 警察省(人数増えたのでレベルアップ)=中台連邦、共同体(露)


財閥と企業と警察省の多大なる支援のもと成立している「公安五係」のお仕事は〝禊ぎ〟
学生のときは国内にいる国益を損なう人間を殺し、卒業後は単独での海外赴任
戸籍を持たず、よって法律が守ってくれない、捕まっても〝そんな人はいません〟で切り捨てられる人達
生徒はサクラと呼ばれ、校内にある五係本部はチャーチと呼ばれる


鋭利は、両親と妹が殺され、逃げ出して死にかけていた所をコリアンマフィアに拾われ、恩人が抗争に巻き込まれて死んだので、仇討で殺した奴殺したあとに殺されかけて、死にそうになっていた所を一嶋さんに拾われる(笑)
珀は鋭利の相棒で、これまでに相棒二人を失っている〝疫病神〟。
〝脱皮〟(卒業試験)は首相の息子の保護
既に息子の監視をしているSPはサクラのことを知らない


両親と妹が死んだ理由、耳の形が一緒の珀そっくりの北のスパイ
なるべく事故死に見せかけて死んでもらう
コリアンマフィア、名前から勝手にチャイニーズだと思っていたのでコリアンマフィアって言われたときは え! てなった(笑)
そういや作中では「統一朝鮮」だったがコリアンだったな、共同体と日本との話なので他はあまり出て来ないけど
出て来る武器はドラグノフだけ検索かけた。実質リアルでのロシアなんだろうけど、作中では共同体or北です
わたしの脳内で北は北朝鮮なので、北はロシア北はロシア北はロシアと唱え続けてた。「北の大国」なら迷わずロシアなんだが。
もっとえぐい話かと思ったら、えぐかったのは珀の前の相棒が内臓取り出されてキャンディ詰められてたとこくらいかな。あれはよかった。
前に漫画で冷凍便の脳を見たからか、オーボエの楽器ケースに相棒の四肢はそんなでもなかった。皮矧いであったら違ったかもしれないけど。

〝九条〟があって、名前も〝国土防衛隊〟なのに、〝軍縮の対象〟になるとは。
レベル上がってんだが下がってんだか解らない名前(笑) とは思った
「人口の0.1%まで」「大量殺戮兵器開発の禁止」
軍隊は期限付きの冷凍庫に入れられた。ほとんどは名前だけ変えたり他のとこの傘下に入ったり。


「日本人の、なにが悪い」p298の馬鹿馬鹿しさ!
〝世界唯一の被爆国〟だとか、警察の検挙率だとか、金だけ出して人は出さないとか、日本人が世界のどの国よりも勤勉に働き続けた結果を献納するだとか、PKOのときの発砲条件だとか、首相のリーダーシップや軍縮賛成や防諜の甘さや誰にどれだけ守られているかも知らないことや、スパイ防止法すらないことも官僚に誇りを売ったことも揶揄される平和ボケも、
ひっくるめて、そんなの、どうだってよかったんだ
その言葉は、もっと別の形で、別の人から、読みたかった
あんたじゃない、これはあんたの物語ではないし、あんたの政治家としての物語でもない
主役は鋭利と珀だったはず

なんで、男しかいないはずなのに、出てきた女って息子の家政婦さんと母親ちびっとくらいだろうに、こんなベトベトしてるっつーか粘着質っつーか…、女っぽいなあと思ったのかが謎
存外鋭利がドライじゃなかったからか
あ、p134の「外務省のメシの不味さ」は面白かった! あそこ好き!(笑)
「俺が事務次官になったら不公平入札制度など絶対やめさせる」らしい。
「食券」はそのあとの一嶋さんのスリにも通じるんだろうけど、民間企業の限定20食ランチに通うおっさん面白すぎだろ


ここは ぜひ一嶋さんの〝昔話〟を! と切望する所だと思う
続編は今のとこない…のか、おお、映画化してた!
http://www.kadokawa.co.jp/sp/201110-01/

と思ったら……
http://movie.walkerplus.com/mv48002/
大分原作とあらすじ違うがな…。友情とか(笑) ああそうかでも確かに「友達として」最後に言ってたな。