球体の蛇/道尾 秀介
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【1992年秋。17歳だった私・友彦は両親の離婚により、隣の橋塚家に居候していた。主人の乙太郎さんと娘のナオ。
奥さんと姉娘サヨは7年前、キャンプ場の火事が原因で亡くなっていた。
どこか冷たくて強いサヨに私は小さい頃から憧れていた。
そして、彼女が死んだ本当の理由も、誰にも言えずに胸に仕舞い込んだままでいる。
乙太郎さんの手伝いとして白蟻駆除に行った屋敷で、私は死んだサヨによく似た女性に出会う。
彼女に強く惹かれた私は、夜ごとその屋敷の床下に潜り込み、老主人と彼女の情事を盗み聞きするようになるのだが…。
呑み込んだ嘘は、一生吐き出すことは出来ない。
青春のきらめきと痛み、そして人生の光と陰をも浮き彫りにした、極上の物語。 】


ぐだぐだにならず頑張った?

■ 感想とか色々~

4年前に出て行った母親。
父にはついていかず橋塚家のお世話になることになった友彦。
逸子さんとサヨとナオと乙太郎さん。
白蟻退治がお仕事。
サヨに似ている人に出会って盗み聞きして火事になって誤解させたまま通いつめて。
くるくる回るんだけどそこまで衝撃的じゃなかったかなー。
乙太郎さんと同じ人抱いてるのはなんとなく予想できた。
まあ勘違いのまま刃物渡しちゃったあたりは やっちゃったなー と思うんだけど、あれ結局失火だったのか。

なんだかんだいってナオが1番可哀想じゃないのかなと思う。可哀想ってか不憫。
なにが悲しゅうて家族に等しい幼馴染と自分の父親が同じ女抱いてるとか知るのかと。(んでもって前者に忠告すんのかと)
友彦は自業自得な所がある。
ナオ視点があったら最後の嘘が本当に嘘だったかどうか解らないんだけど、嘘でも嘘じゃなくても痛いことには変わらんし、お姉さんとお母さんと最後にお父さん失うしねー。
智子さんは最初から苦手です「女」苦手(できれば遠慮したい)。
この人がキャンプ場にいたのはびっくりした。

恒川光太郎っぽいなあと思ってた。
①一人称「私」
②なんかもやもやした感じ。
①だけなら米澤穂信(S&R)もありかなと思うんだけど。
②もずっと続いていくんだけど、サヨは割り箸の時点で苦手。怖い。人を殴ることになにも感じない人間は怖いのですよ。
なのでナオの言う通りだったとしてもオカシクは無い。
ここまで来ると 乙太郎さんはなにか隠していたのかな と思ってしまう。
東京に出た後の田西さんの話はまあ言っちゃ悪いが良く聞く。
最後消息不明っぽくなってるけどどこに行ったんだろ。てか壁の薄い部屋でいたすなと。
なんかこう、はっきりしない。ぐるぐる曖昧。

スノードームの内か外か。
この例えと例えに関する所は面白かった。

装丁は高柳雅人さん!
表紙、家と雪……? と思ったらスノードームか。