騎崎サブゼロ作品集 世縒りゆび (リュウコミックス)/騎崎 サブゼロ
¥720Amazon.co.jp

【騎崎サブゼロ先生、待望の商業流通、初の単行本!!
「ヤングキングアワーズライト」で連載された『世縒り(よより)ゆび』シリーズを中心に編纂された作品集。
錬金術師見習の少女・樹を中心に人の世の理が、騎崎サブゼロ先生独特のセンスで語られるファンタジー。
じっくりと読ませます。
村田蓮爾氏が、イラスト入の推薦文を寄稿。帯にて掲載。 】



実際タイトルにつく“世縒りゆび”は3話目からなのですが、世界観や舞台としては繋がっているお話。
絵自体は女性向けじゃないかもしれませんがそこまで粗くもないので楽しく読むことが出来ました。

自分の姿に満足していない万物を、真に望む姿へ変身できるだけの生命力を引き出す―――それが、錬金術師。


錬金術師になりたい高利貸しの娘とその小間使い。
床に頭を埋めたダチョウと、それを見つけた少年、案内された少女。
食材を自分の好きな姿へと変える料理人と、配達先のお客さんから貢物をもらう彼女。


話ごとにぐるぐると主人公が変わって行って、まあ中心とも言える核であり発端である樹のお話。
受け継がれてきた願いや、かつて慕っていた“姉”や、それぞれをそれぞれが望む姿へ変える錬金術師が、一番になりたかったもの。

もうなぁ、樹とヨヨリが切なすぎる。ヨヨリが笑ってるから嬉しい。だけど悲しい。
痛いだけじゃなくて喜びや嬉しさや楽しさもあって、だけどそれを失ってしまうのだとすれば、終わってしまうのだとすれば、思い出して笑うたびによぎってしまう淋しさ。
料理人とその彼女さんもまた一緒になって、自分と正反対の者になりたがった錬金術師は弟子を得る。


お集まりの諸兄よ ご存知か
石も百年 想いを秘めば金と成るを
石の百年は 人の十年
我が手中に在っては 石とて人とかわりなし

お目にかけよう 我が秘術は

錬金術



リュウコミックスさんでした。徳間。