七尾 あきら
幻妖草子 西遊記 天変篇

前後編でした。前編はこちら。別窓開きます。
「角川書店」と「角川文庫」の境目がよく解っていないのですが、
私的にはハードカバーと文庫、という分け方で分類しています。
「野性時代」もハードカバーに入ります。(ほとんど書いてませんが;;

それはさておき感想に走りましょう。

西遊記って天竺に行って経典もらって終わりじゃなかったんだぁ……。
いや、経典もらってからちゃんと終わるんですが、行ってすぐにハッピーエンドじゃなくて、
色々とありました。

牛魔王の子供・コウガイジとかが出てきます。
というかアプサラとかの名前ってインドっぽいですよね~。
色々混じってるのかな?

菩薩様が閉じ込められてたりしますが、
まあそれもご愛嬌(待て

リョウリンの意味(竜族としての)も出て来たし、
サゴジョウ何気に結構凄いし、
敵さんもそれぞれにそれぞれの過去があって、しかもそれを三蔵が読んじゃったりするから、大変でしたけど。

あれだけ敵に心を馳せる彼女の涙が無駄にならなくてよかったと思います。
ゴクウが一貫して気持ちいいほどに前向きな乱暴者でした(誉めてます
壊しているうちに、気付かずに創られて行くものがあった、という感じです。
“空白”を、まだまだ受け入れられる、と考えるのは―――もう彼ならではだと思います。
見ててきもちいいなぁ。猪(猪八戒?)の弱気さも臆病も、可愛らしい。


正直読み急いで飛ばすところもありましたが、
釈迦さまの「三歩」が妙に残ってます。
三歩歩いたら負けを認めるって、それ凄い。
ある意味凄い自信だあね。

あ、あと三蔵の出生も明らかになります。
なると同時に新たな悩みが出てきちゃうのが三蔵の優しさでしょうねー。
文のおかげで、敵も味方も個性豊かな魅力のある人になってます。
読んでいて気持ちがいいです。


最後の1ページまで、綺麗に終わってくれました。

それではお休みなさいませ、好い夢を。
また明日お会いしましょう♪