卓郎です。今年の9mmの日が終わりました。今回は振り返りつつ僕が感想を書きます。 

 2020年の9月9日は9mm Parabellum Bullet Presents『白夜の百年』として、配信ライブになりました。でも、配信だけれど、これまでの、どの9mmの日と比べても一切引けを取らない夜になったと思います。

 本当ならツアーの初日の会場でもあったKT Zepp Yokohamaに入って初めに思ったのは、これはいいハコだなあということ。出来立てでまだまっさらだけど、何故かよそよそしい感じがなくて、ここにいっぱいの人の前で演奏したいという気持ちは当たり前に浮かんできました。

 それをグッとおさえて。ということはしないのです、僕は。そういう気持ちはその辺に浮かべたままにしておきます。ただ勝手に飛んでいって誰かに迷惑をかけないよう(照明のトラスに引っかかったりしたら大変だ)風船にするみたいに紐はつけておきます。これで大丈夫。

 リハーサルはバンドだけ、サポートが加わって、ゲストと一緒に、とサクサク進んでいきます。あっという間に本番前の、あの落ち着かない時間がやってきました。セットリストを確認したり、ゲストのみなさんと少し話したり。

 Fox Capture Planの岸本くんは、行きの車の中でInterFMを聴いてたら、ちょうど僕の選んだ45分のプレイリストが流れていたと教えてくれました。9/9にオンエアしてくれたこともうれしいし、クルアンビンがYMOをカバーした「Fireclacker」かっこいいねーとか、リストを見ながら話したのです。

 チャラン・ポ・ランタンのふたりは、彼女たちの配信ライブの衣装がフェイスシールド&改造全身タイツ(しかも金銀のピカピカな)だったんで、「あれできたらヤバいな(もちろんいい意味で)」と思ってたんですが、楽屋に挨拶に行ったらアオザイみたいなチャイナドレスみたいな素敵なロングのワンピースにお召し替えしておりました。

 ホリエさんはリハも一度の演奏で済んじゃったし(大体みなさんそうなんですけど)、その後僕はステージに残ってウダウダやってたもので、僕が楽屋に戻ったときはみなとみらい散策に出かけていたようでした。しかしまさか、その散策中に降ること間違いなしの雨雲を目にしていたとは…。


 さてさて、本来オープニングアクトの予定だったfolcaとのトーク番組が進行していき、本番がやってきます。が。
 まだまだアーカイブも残っていることですし、内容には触れないように、見どころを書いていこうと思います。

 まずリクエスト結果からの楽曲演奏。トップ3を演奏します。
 そしてトリビュート参加アーティストとのコラボレーション。

 これは事前に発表していることですね。わくわくしますよね。

 しかし何より僕が注目して欲しいのは、映像のクオリティです。
 これぞ9mmとしかいいようのないカメラワーク、ライティングも超かっこいいです。バックドロップもイベントver.になっています。映像の質感もバンドにすごく馴染んでいて曲のイメージを深めてくれています。ライブ後にアーカイブを見返して「あれ、これ、もう編集してあるの?」と思いましたよ。本人ですけど、さっき生でやってましたけど、だからこそ。
 
 そしてサウンドの迫力ですよ。
 こちらも、もうレコーディングしてミックスが済んでいるかのようです。何回もいいますけど、生配信だったんですよ。録って出しです。超フレッシュ。これまでの9mmと比べても最高に生々しく、荒々しく、16年かけて磨いた音をバンドが打ち鳴らしています。本当をいうと、かなりリニューアルしたのです。そのやり方はルーツバックしつつ前進するような方法です。結成当時を思い返して、「あの頃俺たちが出したかったのはこんな音だったんじゃない?」という感じだったんですが大成功といえるでしょう。

 この2点は基本も基本の大前提の話ですけど、9mmチームが総力を挙げて取り組んでくれたおかげで、結果、配信ライブを越えたのでは?と思います。
 僕たちはたぶん、生配信しながら映像作品を作ったのです。

 こんないいライブなのになー、みんなに見せたかったなー。当然そう考えましたし、みんな口々に言っていました。でも順番が逆なのです。
 
 僕は「会場で共有出来ないと分かっているからこそ、それを乗り越えるライブが出来た」そういうことだと思います。そして「みんな」に見てもらうことが出来ます。誰にとっても特別な2020年、その9月9日、9mm Parabellum Bulletの記録です。アーカイブ期間中、ぜひ何度でも楽しんでください。
 
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