まずは、6/8の小坪議員から私へのリプライを紹介。彼は、いわゆる「ネトウヨ」地方議員として、一部の人には知られています。
私と「経済評論家」の渡邉哲也氏とのツイッターでのやり取りの途中、「私も混ざりたい」と(別にそれは構わないが…)。
彼のブログを読んでみると、ずさんな論理展開で、間違った結論を出している。
ツイッターで順序立てて説明したのだが、どうやら読んでいない様子で、返答はない。このままでは、彼の間違いを信者が鵜呑みにしているであろうから、改めてまとまった形で、誤りを指摘する。
「大袈裟通信」を発行する沖縄の活動家の郵便口座が一時凍結された件をめぐっての議論。簡単に言えば、テーマは「基地反対を行っている市民団体は、政治資金規正法の対象となる政治団体か?」ということ。
小坪議員と渡邉氏は「なる」と主張、私は「ならない」と主張した。小坪議員の主張に興味のある人は、彼のブログにあるのでそちらを。ここでは私がツイッターに書いたものをまとめる。
私の判断は、大袈裟氏の活動(団体だったとしても)は「政治資金規正法の対象となる政治団体に該当しない」です。小坪議員には同意できません。
この法律の対象となる団体の範囲は限定的に理解すべきです。基本的人権との関係や立法趣旨から、そうならざるを得ません。
念のためですが、以下の説明は、いわゆる「右」や「左」で変わるものではありません。
まずは基本的人権との関係。政治活動の自由(日本国憲法21条)は精神的自由に分類されますが、精神的自由は、他の自由に比べても特に尊重しなければならない自由に位置づけられています(通説)。
市民の精神的自由(政党やそれに類するものの活動も含みます)に国家が制約を加える際、「あれもこれも」とするわけにはいかない理由がここにあります。そのような「持って生まれた性質」のある法律なのです。
次に立法趣旨。この法律は、政治腐敗防止のために戦後作られ、その後大きな改正が数回ありました。改正のきっかけは、田中金脈問題、リクルート事件、小選挙区制や政党助成制度の導入など。
まさに国や地方の政治そのものに問題が起き、政治資金の流れの透明化や一定の制限が必要になったのです。
政治腐敗に陥らないよう、政治資金を適正に管理しようとするのがこの法律。一般的な意味での「市民団体」が、政治腐敗や金権政治に結びつくことは、普通はあり得ません。
対象となるのは、政党と候補者、そして「実態が極めて政党に近い団体」「政党と一体とみなす団体」だというのが私の意見です。
規正法第五条では、わざわざ「政治団体とみなす」として、政策研究団体や政治資金団体を挙げています。前者には「国会議員が主宰する」等の限定があり、後者には「政党のために資金援助をする目的で、政党が指定し、自治大臣に届け出たもの」という限定があります。ここでも限定的なのがわかります。
ここまで、一般的な意味での「政治的活動を行う団体」と、政治資金規正法で定める「政治団体」の意味が違うこと、同法の「政治団体」は限定的に考えるべきであることを述べてきました。
最後に、条文に則して解釈してみます。これには「逐条解説 政治資金規正法」が必要になります。
おっと、その前に別角度から大事なことを。実は国家の側には、政治資金規正法の政治団体の対象を広げたくない理由があります。それは税金の関係。
同法の政治団体に対する政治資金となると、条件に合致すれば、もらった側は非課税扱い、支払った側は減税を受けられ、国の税収が減るのです。
公益性を理由に、政治団体の首に輪っかをはめる代わりに、税制上の措置で資金集めをしやすくする。
政治的な主張(これって範囲が広いですよね)をしていることを理由に、幅広く「政治団体」と認めてしまうと、課税されない金の動きが増えてしまいます。これは国家にとって本意ではありません。
規正法第一条には「政党その他の政治団体」の重要性が書かれていますが、それは税制を使って資金集めを支えてやるほどの重要性でもあるわけです。
しかし「米軍基地反対」という単独のテーマを掲げる諸々の政治運動に重要性を認めて、国家が資金集めまで協力してくれるなんて、現実的な話とは思えません。
ここまで来ると、政治資金規正法の言う「政治団体」が、かなり特殊な重要性を認められる団体であることがはっきりします。議会政治の舞台にいる政党と候補者、それを直接支える団体、または舞台にいる誰かを引きずり下ろそうとか、これから自分が舞台に上がろうとする団体だとみるのが妥当でしょう。
それに加えて、政治活動の分量や団体としての組織性・継続性が相当のものでないと「政治団体」には該当しません。
そこは条文で確認しますが、まずは小坪議員の判断をみてみましょう。
「基地反対運動」は、政治資金規正法第三条第一項三(イ)の規定に合致し、政治団体とみなすべきだ、とのこと。
確かに市民団体が該当するとすれば、この部分です。しかし、小坪議員は引用の直前の文言を読みとばしてしまったようです。イとロの前には、どのような団体なのかの規定があります。
第三条第一項三「次に掲げる活動をその主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体」。ここを逐条解説で確認します。
この条文の「主たる活動」「組織的」「継続的」には、日常の意味ではなく、法律としての意味があります。
「政治団体」に該当するには、相当レベルの「政治活動の量と質、組織性、継続性」が求められます。前に触れたように、もう一面では税制を利用しての資金集めに国家が協力するわけですから。
政治団体としての水準の判定をせず、「政治活動をしているから政治団体だ」とみなした時点で、小坪議員は誤っています。
私は、大袈裟通信やwikipediaで大袈裟氏の活動を知るしか方法はありませんが、ご自分の興味関心に基づいて好きなように動き回っている印象を持ちました(羨ましいぐらい!)。
私の知り得た範囲では、彼(の団体?)の活動が「団体の意思決定に基づいて相当数の構成員が有機的に活動している」ほどの組織性があるとは思えませんでした。
それでも「政治団体」だというなら、逆に大袈裟氏の活動レベルは大したものです。政党並みの待遇を受けられる水準だということですから。
以上、小坪議員への返答はひとまず終了。あとは彼からの返事を待つだけ。





