キュウヘヤ日記-200905260621000.jpg
家が建つ前に一度だけお会いしたことがある。



ちょうどリビングからテラスの階段にカンナを丁寧にかけていた。



「こういう家は建築家の人の注文が多くて、とても大変なんだよ」




棟梁は、少し苦笑いしながら、でもそんなのは大丈夫さ。オレは職人だからさ。なんてことは口に出しこそしなかったが、つくりごたえのある、キュウヘヤをもくもくとひとりでつくっていた。







家が建ったあとの竣工パーティーに棟梁は来なかった。




工務店の伊藤さんは、「棟梁はこういう場が苦手な方なんで」と言ってた。





あれ以来一度もお会いしていない。


たまに棟梁の笑顔を思い出す。




今も、いつも、あの笑顔を思い出すと、安心して住んでいられる。