両親のケンカのせいで、家にいるのが嫌になった。

小学校に入って、
学校の方が楽しくて、
家に帰るのが嫌になった。

学校を背に下校する時、振り返って校舎を見ながら「帰りたくないな…」って毎日思うようになった。

家に入ったとたんに母親の愚痴が始まる。

私が学校であった楽しい話をしたくても、話すことは出来なかった。

窮屈な家…。

父が帰ってくる時間、父が機嫌が悪くなる時間、両親がケンカになる時間…夜、眠りに付くまで息が詰まる。

私は幼い頃から夜寝ても必ず夜中に目が覚める。

目が覚めて目の前にはなぜか天井が間近に。そして下を向くと私が布団に寝ている…。

事態がよく分からない私は、しばらくふわふわした後にまた眠りに付いていた。

小学校に入ってしばらくしてテレビでそれが『幽体離脱』だと知った。

あのままふわふわ戻って来なければ、私は苦しむことなく人生を終えられたのかな…。
物心ついた頃、
すでに両親のケンカは日常茶飯事になっていた。

幼かった私はケンカ内容なんてよく分からず、ただ怒鳴り合う両親が怖かった。

私には三つ上の兄がいた。

両親がケンカし始めると私が怯えて泣くので、兄は隣の部屋に私を連れて行ってくれた。

兄と言っても私と三つしか違わないまだ子供。

ホントは泣きたかったのかもしれない。

けど妹の私が泣くから、そばで本を読んだりして平静を装ってた。

何度かため息ついていたね。泣けない分だけお兄ちゃんが一番辛かったのかもしれないね…。

心の中で毎日ずっと叫んでいた。

「誰か助けて…」と。

もう両親の怒鳴り合う声なんて聞きたくない。

ほんの少しのことで機嫌が悪くなる父親。いつも父親の顔色をうかがっていた。

そんな父親にイライラしていつも父親の愚痴ばかり言っていた母親。幼心に母親の味方をしなきゃと、「お父さん嫌だね」と言って母親のご機嫌をとる毎日。

…窮屈だった。
心が休まる日はなかった。

どこからか離婚という言葉を覚えて、「お母さん離婚しないの?」と聞いた。

「お前たちがいるから離婚できない」と言われた。

私はその頃から自分がいるから母親は幸せになれない、自分は生きてちゃいけないんだ…と思うようになった。

私の心はここで成長を止めた。