USスチール買収問題を聞いている範囲での感想を書こう。

今日の毎日朝刊の記事によると既にかなり深入りしている事が分かる。

破談なら、違約金が発生するとは驚く。

本来、違約金を支払うのは米側だろう。

何でそんな話になるのか?経緯を知らねばならぬが、

何れにしても日鉄側から働きかけた以外では有り得ない。

 

小生の感覚では、この話、日本国の経営者の政治センスの無さ、

政治音痴の極みとしか見えない。

この様な頓珍漢、自己目的以外の要素を捨象する傾向は

先の大戦の軍部や政治家の過半がそうであったのと全く同じだ。

現在の世界経済が日本が考える自由貿易WTIの下に、

広く開かれた通商の自由などが保障された時代だと思っているから

この様な間違いが起こるのだ。

日経系の報道などまるでアホ発言ばかりだ。

 

世界経済は既に完全に自国経済優先なのだ。

それはグローバル経済の反動であり、中国の世界進出阻止でもある。

日本は西側陣営だと思っているから、問題無いと言うのだが、

アメリカの鉄鋼を滅ぼしたのは日本ではないか??

 

USスチールと言ったら、アメリカの鉄鋼の象徴だ。

それが米国内で3位だと聞いて、ホー!時代は変わったのだなと思った。

小生などが子供の頃は世界的存在として名前を聞いたものだったのだ。

 

USスチールの経営者側は買収によるメリットは大きいと踏んでいる様だ。

当然だろう。

日鉄の技術・資本で新たな顧客や製品で勝てる企業に復活するチャンスだ。

政治介入で阻止との話で株価が下がるのも当然だ。

USスチール側として、こうなると思って動いたと疑ってみる必要もあるのでは??

 

だが、今年は選挙イヤーなのだ。

株主も一票、労働者も一票だ。どちらが人数が多いか算数の世界だろう。

小幡績教授も「余計な事」と言ったが、小生の視点と同じかは知らぬ。

日米関係を考える時に最重要なのは国民感情なのだ。

USスチールという名前はアメリカの看板で有り、ブランドだと

アメリカ人は思っているのではないか?

それを買収しようと、日本企業がやって来るのだから

バブル時代の日本警戒の感情と似通ったものになるのだ。

 

結果オーライで良くなれば反発は解消するだろうと思うのだろうが、

それは結果論であって、買収段階では反発を喰うのだ。

それを選挙イヤーにやろうとする神経が理解出来ない。

馬鹿丸出しの頓珍漢ぶりもいい加減にすべきだろう。

 

 

で、次にセブンイレブンに買収を持ちかけているカナダ企業があるときく。

この買収を仕掛けて来たカナダ企業はセブンよりも企業規模が大きいらしい。

カネの力で買収するのは企業戦略として当然だ。

カナダでの商売の実態がどの様なものであるか?は別として、

セブンイレブンのノウハウを丸ごと手に入れられる。

 

家電のシャープが台湾企業に買収されたのだが、日本国内では依然として

シャープは日本企業であるかの様な発言が見られるが、

シャープという会社は台湾企業になったのではないか?

まあ、シャープ製品は身の回りに殆ど無いから、どうでも良いのだが、、、。

 

セブンが買収された場合にはこれまでの様な品揃え、商品開発が行われるのか?

外国人の経営者が介入して、外国製品が並ぶ事も充分に有り得るだろう。

そして、コンビニが地域社会で担っている役割を維持出来るのか?

当方は株主でも社員でもパートでも無いから、どうでも良い。

パートの賃金が一気に倍になるとすれば魅力的でもあるが、、、??

 

これまでのコンビニ利用という点では外資に儲けさせる事には参加しないだろう。

コンビニはセブン以外もこの周辺に多数存在する。

固定資産税などの税金や公共料金の支払いなどで

外国に利益が配分されるなど考えられない以上、セブンを避ける事にするのは確実だ。

近頃はローソンに元気がある様に感じていたが、

やはり安いのはファミリーマートだ。

セブンが外資となればセブンの凋落の分岐点となるのではとも思う。

アマゾン利用で便利だと喜ぶ日本人も国賊である。

 

M&Aというのは企業規模拡大の最も簡単な方法で、

如何に買うか、で、事業拡大の早道なのだが、買われる会社は

買う側の考え方によって、大きく命運を左右される。

経営者は殆ど残るまい。

従業員も減らされるか?労働がキツくなる?

あらゆる条件で交渉するのか?強引に奪うのか?

何れにしても安く買われる日本という事だ。

今後の情勢に注目だ。