「中国の力が増せば、世界平和への希望も高まる」

28日のJIJI.COMが報じたのは、北京での外交イベントでの事だと。

相手は新興国・途上国らしい。

近平は本気でそう思っているのだろう。

本音で発言して頂くのは大いに結構、率直な思考が判るという事だ。

その様に簡単に世界が平和になるとは思わないが、

近平の言う"力”とはどの程度?それは即ち“支配”=覇権である。

 

先だってまで、御用放送の教育で、

「3ヶ月でマスターする世界史」というのをやっていた。

何やら遊牧民をやたらに持ち上げた番組だったが、

西洋史、西側欧州から見た世界史に対して、

東洋、中国から見た世界史を提示?したつもりなのかも知れぬ?

その視点では元とか、清の時代の中国が世界制覇していたかの様に語られていた。

元のイメージはやたらに攻撃的で従わぬ民族を攻撃したと思っていたが、

その支配地では交易が盛んで東西が結ばれた時代だったと語られた。

清の時代は末期を除くとやはり世界で最も繁栄した地域で

豊かな経済を誇っていたという事だ。

先進地域として、西側など下に見ていた時代が長かった。

 

中華思想とは世界の中心地、真ん中であるという事だ。

それは周辺は辺境であり、遅れた地域と見なすという事になる。

エリート意識であり、田舎者を下に見る差別感覚だ。

中華帝国は王権であり、国王に対しての民衆の権利とか対抗などは

次の王朝にとって替わる形態しか無かった。

中国の歴史は王朝の交代であり、帝国・王権の支配の歴史なのだ。

周辺国は貢物を持って、支配の承認を求めた。

中華王朝は配下としてその地域支配を認める事で権威を誇った。

これが中国的な平和である。

 

近平の言う世界平和とは全世界が近平に傅く事だ。

配下となり、逆らわぬ事で平和となるが、その支配はおよそ民主主義とか

自由といった価値観など存在しない世界だ。

中国史にその様な価値観は存在しない。

共産党という王朝もこの歴史を引き継いでいると言うよりも

民主主義とか人権などというものを知らないと言うべきだろう。

 

中国が強くなるのは明確な共産党の目標であり、

アメリカの覇権を奪うスケジュールも定まっている。

誰の支配も受けない、世界を支配するのが中国王朝の歴史である。

それを復活させるのが目的であるのだ。

交易は許されるだろうが、富は中華に集まるのだ。

その結果世界は平和になると言う事だ。

 

中国という国と日本の関係は朝鮮半島などと違い、属国ではない。

それは大陸と地続きではなかった事が大きい。

大陸国家である中国にとって、島国で距離の遠かった日本は支配対象ではなかった。

しかし、現在ではミサイルも航空機も簡単に飛んで来る。

船舶での移動も簡単だ。

海洋に進出しなければ世界支配は到底完成しない。

台湾もフィリピンも南シナ海も海洋進出の対象となって、摩擦?紛争?が起きている。

この様な覇権主義・帝国主義の巨大な隣国とどう対峙するか?

簡単でなく、容易でない、軍事力で対等な武力を持つ事は不可能、

遠距離のアメリカは核の傘を提供すると言っても

尖閣の防衛の為に中国と核戦争などする筈もない。

それは台湾でも同じであり、超大国同士の核戦争になる事態など有り得ない。

大陸を攻めない以上、中国周辺の支配は変わらない。

 

日本の外交をどうするべきか?

日米安保という現状で良いのか?

軍事的均衡という平和は維持出来る?

よくよく考えて、行動する必要があるのだが、、、、??