極右という指定を受ける根拠がどの程度なのか?

ナチスという歴史的存在、国家主義という考え方、

民族差別や排外主義などなどあれど、現在その言葉で語られる勢力の思考が

明確に、詳細に語られた事は無い。

小生の視点では共産主義を標榜する中国・ロシアなども

完全に国家主義であって、民衆や労働者の為の国家などとは到底言えない。

 

寧ろ、現在の対立は米露・米中の覇権争いとしても

それは第二次世界大戦での国家主義との戦争の継続であり、

全体主義&反民主主義的独裁国家との戦いと見える。

ナチスドイツ、第日本帝国の国家主義は滅びた?が、

一方の民主勢力には凡そ民主勢力とは言い難い国が複数存在したのだ。

その国々が果たした役割も小さくなかった結果が、

今日に於いて顕在化しているとも言えよう。

 

以上の認識からすれば、極右と言われる勢力の台頭など些細な問題であり、

これはグローバル化の結果から生じて来た反グローバリズムの動きなのだ。

全体主義者とは民主主義とは相容れない価値観で

国民・市民・庶民を支配する権力である。

要は第二次世界大戦で一掃されなければならなかった価値観が

未だに亡霊の様に地球の一部に残っているという事だ。

 

民主勢力の中に残っている差別や自国の文化を守ろうとする動きと

全体主義勢力の価値観を比較して、どちらを相手としなければならないか?

考える必要も無い。

それは全体主義勢力を地球から撲滅する事が先だ。

人類の進歩、人間としての普通の存在に対する根源的な否定をするからだ。

中国人が本気で、一定の自由や経済の確保がされた条件で習近平を歓迎するか?

仮にそうだとすればそれは情報と教育の結果だ。

この限られた思考しか出来ない人達が多くなる事は危険だ。

 

専制独裁国家というのは情報も統制されている。

その様な国の民衆が違った情報に接する機会は極めて重要で、

それは東独や東欧の国々に於いて証明されている。

だが、現在ではロシアにしろ、中国にしろ、統制や監視の外側の情報に触れた人々は

国外に脱出する傾向にある。

そうなるとますますその国は独裁・専制支配が強まり、

権力に対する反対勢力が弱くなる。

自力で自国の政権を倒そうとする力も無く、権力者の勝手な行動、

そして、権力者に阿る輩が他国に対して挑発的行動を取る傾向になる。

 

この様な世界の状況をどう改善するのか?

解決する方法はあるのか?それは戦争という形をとるしか無いのか?

小生の考えは過去にあった冷戦の時代に戻るという事だ。

プーチンのロシアなど、既にほぼ旧ソ連であり、到底ロシアがソ連崩壊によって

西側と対立する時代は終わったなどと言うのは馬鹿げている。

中国共産党の支配する地域なども凡そ人間的な世界では無い。

この様な国との戦争を避ける方法は冷戦の時代に戻る事なのだ。

 

冷戦期というのは局地的に代理戦争はあっても、大国同士の直接対決は避けられた。

それによって、互いの支配地域では一定の安定と平和が享受されたのだ。

対立する世界との交流は限られ、互いに干渉しない事だ。

経済的分離は絶対に必要であり、それでも第三世界・途上国などの存在が大きくなった

現状ではかなりの交流・交差が発生する。

取り合い、摩擦は紛争になりかねないが、それでも直接対決よりはマシなのだ。

 

中国という一定以上の国家資本主義的時間を持った国が、

西側的技術や先進工業力に近いレベルである事は

旧ソ連的な軍事力=核兵器による抑止とは違う。

中国は単独で技術開発をする能力を持ったのだ。

その国が専制独裁国家として、反民主的価値を全世界に広めようとする時に

民主主義国家の指導者達はどうするのか?が問われている。