少々前になるが、プライムニュースに桜井洋子なる方が出ていた。

この人の考え方は基本的に嫌いなので、ほぼ見る対象ではないのだが、

たまたま前駐米大使との出演という事もあって、久しぶりにお目に掛かった。

と言っても、向こうから此方が見える訳では無い。

聞いていて、小生の中国観とかなり近いと感じたのだが、

結論的には真逆の意見になるのはどういうものか?

 

この方も麻生如きと同じで覚悟を日本人に求めている。

この覚悟という言葉とは何か?

極めて抽象的?象徴的?曖昧な言葉だが、要は死者が出るとか、

破壊&損害が出る事を覚悟しろと言っているのだ。

先の大戦で310万人程日本人は死んだのだが、

台湾と運命を共にする?らしい日本国ではどれ程の死者が出ると考えているのか?

あるいは焦土、あるいは放射能汚染で住めない土地がどの程度になるのか?

損害・被害、そして死者はどれほどなのか?一度参考程度にお聞かせ頂きたいものだ。

 

彼女の覚悟は沖縄方面であって、本土は関係無いとか、

米軍基地や自衛隊施設は攻撃される事があっても

民間の施設や人員に被害は及ばないとかなのか??

それとも新幹線や放射能発電所も攻撃されかねないと考えているのかだ。

これは大きな違いであり、覚悟の程度として、全く違うものだ。

戦争の専門家が攻撃される、あるいは攻撃するのは戦争となれば当然とも言える。

しかし、民間までも被害を受ける、攻撃される事態となればこれは全面戦争と言える。

 

さて、台湾が攻撃される事態を防ぐつもりで、軍事的均衡を作るつもりらしいが、

それが幻想であると思わない方々が膨大に居て、

その方々が日本国の中枢におられる事が極めて間違った方向に

日本国をミスリードしていると感じている人はいる。

歴史的には日露戦争は日本が勝った事になっている。

勝った戦争は正しいとされるから、この思考は危険なのだ。

日露戦争はある意味、日本はイギリスの意向を真に受けて戦ったのだ。

イギリスがロシアの南下を阻止する為に日本を動かしたと言える。

上手くその気にさせられた日本がイギリスの代わりにロシアと戦わされたのだ。

そういう認識を持つ、持たないは自由だが、

世界情勢というものを局地的に見るのではなく、

全世界的な流れの中で捉えればその様に見えるという事だ。

 

それでは、今回、仮に台湾での戦争となった場合はどうか?

それはアメリカの意向に日本が利用されるという事だ。

日露戦争でも日本は多大な犠牲者を出した。

イギリスは戦艦を売り付け、情報で支援したが、死者も損害も皆無だろう。

台湾では米軍も戦うかも知れぬが、米本土の被害は想定されていない。

それは中国大陸を攻撃しない前提だからだ。

大陸本土を攻撃すればお互いに核戦争になりかねない。

だから、其処までの覚悟も想定も無いのだが、

局地的な戦いは台湾島とその隣接地たる沖縄方面、更には日本の基地、あるいは

日本全体というシュミレーションとなっている。

 

この大陸中国を攻撃しない戦争で、台湾や日本が勝利することはあるのか?

それを考えないとしたら、かなり特殊な、極めて変な考え方だろう。

ウクライナでもロシア領内を攻撃するな?という。

これでウクライナが勝利する事など出来るとしたら、それはかなり特殊だ。

中国本土から台湾に向かってミサイルは飛ばない?

攻撃機は大陸から発進しない?そんな事はあり得ない。

船舶や空母からの攻撃で、上陸作戦を阻止すれば戦争は終わり??

簡単な戦争で結構だが、子供の様な発想で、小生はついて行かれない。

戦争が始まれば、当然、ミサイルは日本本土の米軍基地や自衛隊基地に飛んで来る。

更にインフラを破壊するだろう。

現にロシアはウクライナの発電所やスーパーマケットを攻撃している。

駐日中国大使はその様に公言しているのは櫻井氏の覚悟と

一致している様に小生には聞こえる。

 

小生は中国・習近平の意志を削ぐには、経済力を弱める事が必要と書いて来た。

これと同じ事を櫻井氏は述べていた。

この見解は小生の知る範囲では極めて少数だ。

日本国の財界もアメリカの財界もその様な考え方はしていない。

辛うじて、近平自身が外国企業を排除しようとしているのだが、、、、??

日本の政治家なども財界の意向に従って、一部の商品や製品を輸出規制しようと

アメリカの意向に従う?らしき言動が垣間見られる程度だ。

売れる、買われれば大いに喜ぶ、必要だ、解除だと騒ぐのだ。

中国経済の危機を利用しよとするなど毛頭考えない間抜けどもだ。

 

では戦争が中断・停戦となったとしよう。

日本と中国との関係はどうなのか?

互いに刃を向け合った関係を簡単に修復して、経済関係は仲良くしましょうとなる?

台湾海峡ばかりか、南シナ海など南方からのルートを

以前の様に使えるとでも思っているのか?

この点は以前から書いているので此処ではこれ以上書かない。

 

最終的に櫻井氏は戦争を止められると考えていない?

多くの日本の政治家は仮に戦争となったら、自分はアメリカに逃げるつもりだろう。

戦争をしない、やらない為に抑止力を高めると言うが、

どれだけのカネを投じるつもりなのか?

小生は習近平は必ずやると思っている。

それは既に出来る状態だと思っている筈だ。

米軍の戦力など遠いハワイ辺りまで離れさせる事は充分に可能だ。

日本近海も完全に共産党軍の勢力下に収めるのもロシアの協力で可能だ。

だから、確実に侵攻はあるのだ。

その前提で考えるべきであり、アメリカの考えに乗ればそれこそ、日本は焦土になる。

中国に対して旧日本軍がした事を根に持つ近平だと思わないとすれば

それはかの人の本質を全く見ていないと言う事だ。