昨日もクロ現で円安ドル高の影響についてやっていた。

その前には日経系で日銀の国債買入れを減らす話で金利上昇だとも。

小生の関心は経済動向にもあるのは株をやっているだけでは無い。

経済とは国力であり、民力である筈だったのだが、

今の時代、必ずしもそうとは言えないのだ。

企業が国を支え、民が頑張れば国が栄ると考えるのは神話だ。

 

民間企業に勤めた経験があれば分かるだろうが、

企業にとっての第一の目的は自己保全である。

次の目的は自己増殖だ。

これが資本主義である以上、必然であり、これを疎かにすれば

敗退・衰退・滅亡・廃業となる。

如何に市場の中でシェアを取り、栄るかが常に求められる。

 

今の経営者が日本国内で売上を増やそうとするよりも

海外で展開する方が遥かに効率が良いと考えないとすれば

それは余程に特殊な業界と思われる。

資本の回転率、投資効率、原価率、売上見込み、成長性などなど

人口減少で、消費の少ない高齢者ばかりの日本の需要など比較にもなるまい。

 

一度海外で基盤を作ったら、其処での利益は再投資するのが当然だ。

そうなると、何処が日本企業なのか?と疑問を持たれて当然なのだ。

日本人の管理者や技術者が支援・教育などで現地に赴任したとしても

それは日本国内に何ら貢献しない。

結局は現地化が進み、現地の人たちが実質仕事を担う段階となる。

要は初期の資本と技術だけなのだ。

得た利益を国内に還元するとしたら、多少の貢献はある。

しかし、それをしなければ、単なる流出企業でしかない。

 

既に大量の企業・仕事が海外に出て行った。

それが国内経済に貢献しない以上、日本は単なる消費地にしかならない。

貿易赤字、デジタル赤字、原油に天然ガスなど買う物ばかりだ。

これでは円安になるのは当然だ。

国内で生産し、国内で消費する。

余ったら、外国に売る商品を作るべきなのだ。

外国製品を買う事を考え直す必要がある。

これを活発化する経済政策が必要なのだ。

国内循環で経済が回せる事、自給自足経済を志向すべきなのだ。

雇用も給料もその中で安定させる必要がある。

 

国内で生産し、輸出している企業も残っている。

これは大いに頑張って貰い、優遇すべきだ。

しかし、産業を空洞化させ、海外で儲けて国内に貢献しない企業への課税は

円に戻すとか戻さないとかではなく、税制の見直しをすべきだろう。

 

新NISAで現役の諸君まで株式やファンドに気を奪われ、

仕事が手に付かない状態にしようとする政府だ。

自分探しから、企業力が衰退し、今では仕事の仕方の基本さえ

知らぬ会社まである時代だ。

怠け者の国、単なる時間労働者ばかりの国、戦略も思想も無い国だ。

こんな日本が円安で復活するなど幻想も幻想、夢のまた夢だろう。

この難しい日本をどう舵とるのか?

その様な政治家が現れるのか?

日本の優位性をどの様に再構築するのか?

今の政治には全くその様な感触は無い。