円安が止まらない。154円も半ばだ。

小生は日本国の財政が巨大な借金で、国債の発行を繰り返す構造は

将来から前借りして、ツケを後世の負担に押し付けているだけと見ていた。

更に、その上前を撥ねたのがアベノミクスだ。

おバカ極まりない政策で土壺に落ちると見ていた。

であるから、会社員時代だから、40代そこそこから外貨預金を始めた。

かなりの失敗を経験もしたのだが、日本円はいつかは凋落すると思っていた。

もう、30年ほど前の事だ。

 

その後は円高、円安など様々に動きがあったが、

小生の認識は基本的に110円が適当、120円なら円安、100円なら円高という

基準を持って相場を見ていた。

しかし、先日来の150円を超える円安にはついに来る時が来たと思っている。

130円を超えた段階で、あれあれと思っていたが、

140円、150円と落ちて来たのには少々驚いた。

この動き、これは“始まった”と考えるべきなのだろう。

凋落する円、この現象は必然であり、二度と120円などに戻る事はあるまい。

 

そうであるならば、これまでの基準を変更しなければならない。

適正な円の評価を幾らと見るべきなのか?

高値・安値をどの辺りに設定すべきなのか?だ。

ただ、今の相場がかなり動きのある時期で、

安定的に一定の範囲で値動きするとは考え難いのだ。

今の下落傾向であれば、1ドル180円もあると思うのだが、

逆に円高では140円を超える場合も無くはないだろう。

この幅は大きい。大き過ぎるのだ。

相場として、上がる傾向よりも下がる傾向の方が遥かに強いと感じる。

 

申し訳ないが、今の日本に昔の夢を見るのは難しい。

株屋どもはこの幻想を振り撒いている。

政治家?経済通?も期待?半導体の復活??などとチャレンジングなのは結構、

それを否定するものではないが、国策で支援した産業が成功した話は聞いた事がない。

そもそも日本企業の能力は人材だった。

この人材というのを育てる構造が終身雇用と会社への忠誠心だった。

会社も社員も共に信頼があって、年齢と共に増える生計費に伴った給料だった。

これを壊して外部から即戦力人材を拾おうとしているが、

カネで釣った人材などカネで釣られて企業が開発した技術など簡単に流出する。

 

そして、今の日本人の能力低下だ。

今、1つ裁判をやっているが、相手弁護士の提出する文書のレベルが低い。

国家資格の司法試験を合格した日本国のエリートの筈なのだが、、、??

この裁判で合計9人の裁判官・弁護士などと顔を突き合わせたのだが、

裁判長は兎も角、弁護士の看板を上げている方々の知識・判断・説得力など

これが日本国の頭脳なのか?と疑いたくなった。

 

企業のレベルの程度の低さについてはこれまでも書いて来た。

自分探しという感覚が主流になって、日本の底が抜けたのだ。

個人がどの様な意識で生きているか?これが根底なのだ。

商品造りや緻密さ、完成度などを他国に教える人の良さ、甘い・優しい人間性が

競争相手を次々と作り出したのだ。

追いつけ、追い越せで目標にされた日本が意外と弱いのはサッカーでも

この間見たばかりだ。

 

その上に今の世界の潮流がコンピューターという数学と英語の時代になっている。

この事も以前に書いたが、北朝鮮やロシアなどがコンピューター技術者を要請して

いるが、日本にはその様な教育は特殊学校のレベルだろう。

日本の教育は日進月歩?殆ど変わらない横並び、平均化教育なのだろう。

小生などの考えでは寧ろ江戸時代の寺子屋方式の方が良いのでは?と思い始めた。

個人が学びたいものを選んでマンツーマンに近い方式だった。

ただ、親の職業を継ぐ社会で固定化されていた。

これは安定的でもあるのだが、いずれにしても個性を伸ばす教育を

自由に選ぶ事が出来る様にすべきなのだ。

 

日本を再構築するには教育から始めるしかないのだ。

全体を作り直さないとあらゆる領域が惰性でひずみ・ゆがみだらけだ。

子供が親になって子供持って、基本が無い人間になってしまう。

昔は大家族であったから、基礎的日本があったが、核家族化でこれも壊れた。

大家族性は問題も多かったのだから、どれを良い面と悪い面を考えて、

教育を再構築する事は比較的に容易だろう。

20年掛ければ子供は成人する。

1世代とは25年から30年でチェンジすると思える。

やる気になればその程度でかなり復活し、世界に対して優位に立てる筈だ。

日本にはそれだけの潜在能力がある筈で、それは日本語という世界で最も

難しく、多様で、感性に富む言語を持っている事だ。

 

改革を正しく始められなければ円相場は崩壊に向かう。

200円などで止まればラッキー、300円の声もあり得るだろう。

凋落する円は二等国、三等国への没落を意味する。

円はますます流出し、デジタル赤字は膨らむばかりとなる。