今年のNPBは、本当に時代を彩った名選手、いぶし銀、話題だった選手の引退が多い。
その中の一人、小谷野栄一の引退試合が昨10/5にあった。
9回2死ランナー無し。打席に向かう小谷野の目には涙。引退する選手としては珍しくは無い光景。
だが、送り出す福良監督の目にも涙。
ああ、本当にこの二人には、強烈な想いがあったのだと再確認。
ファイターズファンやバファローズファンには有名な話だが、小谷野は2006年にパニック障害を患い、
現在も完治しないまま野球をやっていた。(下記リンクのインタビューが一番詳しいと思う。)
第1回 それでも好きな野球がやれる。
[小谷野栄一選手インタビュー] - 過去の僕に戻りたいとは思わない。(ほぼ日刊イトイ新聞)
https://www.1101.com/koyano/2018-07-12.html
2006年当時のフェニックスリーグ。公式戦ではないので何度も何度もタイムをかけて、
バット振れなければ打席で突っ立って三振してもいいからとにかく試合に出てというところから
スタートし、そして翌年は一軍の戦力として活躍。
2014年のFAは「若手台頭の中、スタメンに拘りたい」というのが表向きの理由で
ファイターズファンとしては驚いたが、後で考えてみれば
当時バファローズのヘッドコーチだった福良淳一への恩返しの意味が大きかったのだと気づいた。
オリ小谷野、号泣で16年間のプロ生活に別れ「こんなにもスッキリとした引退ができると…」(yahoo - スポニチアネックス)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00000164-spnannex-base
記事内に、引退セレモニーの挨拶が載っているが、読んだ文章と映像では少し印象が異なる。
はにかむような笑顔、顔をくしゃくしゃにし、周囲をきょろきょろ見渡すように首を動かし、
溢れる感謝の念と襲い来る緊張、その全てを隠さずに表情に出しながら、
しかし、言葉としては一語一語はっきりと丁寧にかみ締めるように。
一通り感謝の言葉を述べた後、
「もうスッキリして何もカッコいいことも感動したことも言えませんが、明日はソフトバンクの本ちゃん(本多雄一)の
引退試合なので、皆さん最高な試合にしてあげてください」
というのも、なんとも人の良い小谷野らしい。
16年間、お疲れ様でした。