アイスタイム ~鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日~ 伊東武彦 | michyのブログ

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ダラダラした日常で興味を持ったことを、ぼちぼちと書きなぐります。

鈴木貴人を題材にした本が出たことは知っていた。
バックス関係のメディアにはアンテナ張っているし、何より発売記念で本人が霧降の売店に来ていたし。それでもシーズン中に読まなかったのは、5月の引退表明、7月の記念試合後から間をおかずに発売されたことから、いろいろと思うところがあったからだ。

シーズンも終わり回顧的に手に取る。
やられたと思った。
著者の伊東武彦氏は元々サッカー中心のライターらしいが(不肖ながら知らなかった)僅か2ヶ月の書き下ろしでこれだけの書を上梓するとは!そしてその圧倒的な取材量!淡々とした筆致で飾りの無い文章ながら的確な表現で、その熱い場面が次々と目に浮かぶ。自分の見てない光景も、まさに過去に体験したかのように。

サブタイトルにもあるとおり、鈴木貴人のバックス移籍からを中心としてこの本は書かれている。が、鈴木貴人だけでなくバックスに在籍するあるいは在籍したいろいろな選手やスタッフ、バックスを取り巻く周囲の人々の様々な物語が記されている。チーム発足以来低迷に低迷を続け、何度も訪れる経営危機とチーム消滅の危機。だらしの無い様に野次を飛ばしながらも、それでも霧降に集まる人々。かくいう私も、ここ数年もっともお金を使って見に行っているチーム。過去の想い出と未来の希望とその他いろんなものが綯い交ぜになって4月だというのにもう日光霧降アイスアリーナが恋しくなった

アイスホッケーに興味の無い人にも手にとってほしい重厚感あふれるスポーツノンフィクション。
ミズノスポーツライター賞受賞作。
アイスタイム 鈴木貴人と日光アイスバックスの1500日/伊東 武彦
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