笹子トンネル天井落下の原因報道に疑問 | michyのブログ

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ダラダラした日常で興味を持ったことを、ぼちぼちと書きなぐります。

ボルト使用方法 専門家“疑問ある”(NHK)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121208/k10014052541000.html


あちこちのマスコミの報道を聞いててかなりもやもやしている。
おいらは電気屋で機械屋でも土木屋でもないので、専門的にはちょっと弱い。
だけども、これまで経験で知り得た知識からして「あれ?」と思ったので書いてみる。


天井板の落下は「接着剤の劣化でボルトが落下」と報道されている。
「接着剤」とは解りやすい表現であってケミカルアンカーのこと。
地面や岩盤に固定するアンカーボルトには、化学的反応でボルトを固定するケミカルアンカーと
締めたときに内部が広がってボルトを固定するオールアンカーがあるが、
経験上、重量物の固定にはケミカルアンカーの方が優れていると聞いていた。

つまり、「接着剤を使う」ことが問題なのではない。
じゃあ、何が問題なのか。


今回の笹子トンネルの場合、垂直に重力が働く構造で「接着剤」”だけ”で力を支えることが問題なのだ。
つまり、重力がが斜めに働くような構造、
例えば(NHKの映像に出てたように)2本ボルトからワイヤーで斜めに吊り下げ斜めに力がかかるようにするか、
或いはボルト自体を斜めにするといったことが考えられる。
そうすれば、接着剤の力だけでなく、ボルトと岩盤の摩擦力で固定することになるので
接着剤が劣化しても簡単には落下しない。

NHKの映像はちゃんとそのことを説明はしているが、タイトルがミスリード、
もしくは理解していない人間がつけたっぽい印象。
読売新聞に至ってはまったく言及していない。


トンネル崩落、接着剤劣化か…ボルトに腐食なし(読売新聞)http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121204-OYT1T01144.htm


点検で見つけきれなかったことや点検周期が長かったこと自体は問題だが、
こういうことに関してもうちょっとちゃんと報道してほしいんだが・・・


(誤った認識であればご指摘いただけると幸いです。)