小説『きことわ』を読みました。
うすい膜を張ったような、淡い色調の世界に、突如ぽっかりと空いた暗闇に引き摺り混まれるような、一瞬不気味さも感じさせるお話でした。
登場人物のきこと、とわこが幼い時、じゃれあう様子は、彼女らの触感を通して、なぜか艶かしく感じました。
全体に死と闇夜の気配を漂よわせた…。(決して暗い内容ではありません)
読み始めて2ページ目で、話に入って行きづらいな…と感じたのですが、誰かの夢の中に自分が滑り込んでいく…というイメージを持って読むと、頭が馴染んでいきました。
今まで知らなかった儚げなきらきらした言葉に思いがけず出会えて嬉しいです。
作者は朝吹真理子。
観劇の際、舞台上で演出家と対談という形でご本人を一度拝見しましたが…素晴らしく脚が長かったです。
またこの方の作品と出会えたら…と思います。