さてさて・・・昨日はヴァネさんネタでしたね・・・


ファンミが決まったので孝天ネタはやめとくか・・・とか思ったんですが。


やはりワシは腐女子のおかんなのよね。


孝天ネタいきます・・・


ま、今回はチマチマと書き溜めてたメチャクチャ長いシリーズです。


ダラダラと長いですが・・・お付き合いくださいませ。


では、どうぞ。



「のらネコ」その1 <孝天編>


昔から『目は口ほどにモノを言う』っていうけど・・・どうやら本当らしい。


あたしは目の前に急に現れたこの人に見つめられて全て自分の心の中を見透かされていた・・・


目の前にいるこの人は何故か見抜いていた


会社の主催するパーティーに出席した大勢の人の中で

今まで誰一人気付かなかったあたしが隠してきたホントの思いを・・・・


酔いにまかせてあたしに絡んできた見知らぬ男・・・多分あたしが覚えていないだけのその男に

しつこく身体を触られていてとうとう我慢しきれなくなって

その男に手酷い仕打ちを仕掛けようとした瞬間あたしの目の前にその人は現れた。


たしの中の防衛本能が働いて男に我慢できなくなり手に持ったグラスを男に投げつけようとした瞬間に

その人は目の前であたしを触っていた手を掴んで男に忠告をしたのだ


あたしは普段大人しいと言われる部類の人間だしなるべく目立たないようにしていた。

それなのに・・・何故かこの人だけはあたしが男に向けた冷たく残酷な視線に気付いていた。


あたしから背を向け男に一言だけ言って男をその場から立ち去らせた・・・・


「危なかったな・・・・」

初めて会ったその人は下を向いているあたしの顔を覗き込むように言った


「・・・・・どうも」

あたしは一言お礼を言った。

それから下を向いて気持ちを落ち着かせた。


「・・・・俺があの男を止めなかったら

あの男・・・アンタにとんでもないことされるとこだったからな・・・・」

そう言いながら長い前髪から覗きこむ目が笑っていた


・・・・・・この人あたしがあの男に何しようとしてたか解ってて止めた?

「何のこと・・・ですか?」


「アンタ一瞬で目の色が変わったから・・・ヤバイなと思ってさ」


「目?・・・そうですか?」

この人はあの時のあたしの目に気付いていたんだろうか・・


「う~ん・・・・何か似てるんだよな・・・俺に」


ずっとその人は下から覗き込みながら話している。

そっか・・・きっとあの男に見せた表情はあたしのソレと同じ目をしていたに違いない。


そんなことを考えていたらその人は急に優しい顔で言った。

「何か同じニオイがするんだよな・・・俺は孝天・・・お前名前は?」


あたしはその笑顔にドキリとしながら顔を上げて言った。

「・・・・・日向(ひなた)」


「日向 ね・・・・ふ~ん・・・・温かそうな名前だな。」

「実際は名前とは全然違うのにね・・・完全に名前負けかな」

「そうか?お前の笑顔見たら幸せな気分になれそうだけどな・・・名前のとおりさ」

笑顔でそんなことを彼に言われてあたしは一瞬どんな表情をしたら良いかわからなかった・・・


「話をするにはちょっと騒がしいなここは・・・・・少し静かなところで話するか・・・行くぞ・・・」

突然彼に腕を掴まれたままされるがままにされていた・・・


あたしはどうしてこの人の言うことを聞いているんだろう・・・

「この辺りは静かで良いな・・・・」

人影もないパーティー会場から離れた場所で

彼とあたしはただのんびりと外の風を受けていた


早く話を終わらせて一人になりたい・・そう思っていた。

とうとう耐えられずに口を開いた。


「あの・・・・あたしとあなたどう似てるんですか?」

「・・・孝天で良いよ。 似てないか?」

「どこも似てないと思う。」


「・・・・な~んかさぁ・・・あの目見てて痛々しくなったんだよな

 つーか・・・ホント自分見てる気分になってさ・・・」


「・・・・きっとそれは気のせいだと思う」

この人はどこから見ても自信満々で堂々としているように見える

あたしとは正反対なヒトだと思う・・・・なのに似てるだなんて


「お前さぁ・・暑くない?その格好・・・この暑いのに肌も見せずに」

そう言った彼の姿を見る・・・そういえば彼もわざわざ長袖を着て袖を捲り上げていた。

あたしは暑い中薄手とはいえ皆が露出の多い服を着ている中で肌をなるべく見せない格好をしていた。


「別に・・・好きで着てるから」


「好きでねぇ・・・日向はそういう趣味か」


そういいながら彼の全てお見通しと言った目に正直あたしは戸惑っていた


「いや・・・好みなら良いけどさ。何か頑なに守ってる気がしてな・・・」


「孝天・・・さんはどうしてそんな風に思うわけ?」


「・・・・孝天で良いってば・・・ま、いっか・・・呼び方なんてさ。

 ん?俺?俺自身が見られるといろいろ面倒なモンがあるから。

 単に色々聞かれるのが面倒くさいだけ。ひょっとして日向もそうかと思ったんだけどな。」


「ま、見られてもどうってことないけど自慢する程のモンでもないしな。」


「面倒なもんね・・・」


「ん?」


「確かに面倒かもね・・・面倒なモンあるよ。あたしにも。

 孝天さん・・・と同じで自慢するモンでもないから・・・見せてないだけだし。

 驚かせても嫌だし・・・・人って珍しいもの見ると見る目が変わるでしょ・・・」


そう言ったあたしを彼はじっと黙って見つめていた・・・・


その視線から目を逸らし下を向いて自却気味に笑うあたしの頭を

ポンポンと優しく叩きながら突然あたしを上に向かせた

顔を上げると彼が目の前で見つめていた。


「お前さぁ・・・・・服の下に他にも色々隠してるだろ。」


どうしてこの人はそんな事言うんだろう・・・あたしの心を見透かされてる気がする

突然現れてズカズカと土足で人の心に入り込む彼の行動にあたしはイライラした。


「・・・・なんでそんなこと・・・・言うんですか・・・」


「案外誰かに素直に見せたら楽かもよ・・・自分をさ」


「何言ってるんですか?言ってる意味わかんない・・・何にも知らないくせに。」


「知らないからこそ・・・俺は知りたいね」


「教える気ない・・・勝手なこと言わないで」

「・・・色々話すとまるで自分だけ不幸だとか思ってると思われるの嫌だから・・・話す気もない」


・・・このままここにいたら駄目だ

スグにこの人の前から逃げなくちゃ

あたしの中の防衛本能がそう言ってる

それなのに足が動かない・・・


・・・素直な自分を見せたくない

たとえ誰であろうと・・・

素直になって心を許しても結局は傷つけられてきた・・・

今までだって散々そんな思いをしてきた・・・

今回だってきっと同じ結果になるのは目にみえてる・・・


「・・・・戻らなきゃ」

あたしは彼の前から逃げ出そうとした瞬間に彼に腕を掴まれた。

「逃げんのか?」

彼の目があたしを見つめて全てを見透かす・・・


「離してよ・・・」

ありったけの力で掴まれた腕を振り解こうとした

それでも彼は黙ったまま掴んだ手を離そうとはしない。


あたしは迷わず彼の頬を叩いた

彼を睨みつけて何も言わずに再び彼の腕を振りほどこうとした。


「何だよ・・・お前なぁ・・・まったく・・・・」

彼はそう一言寂しそうな声で呟いたあと悲しそうにあたしの目を見つめて強く抱きしめた。


あたしは無意識の内に咄嗟に抱きしめられた腕に噛み付いた

「つっ・・」

小さく唸る彼は痛みに耐えるように顔を歪ませたがそれでも離そうとはしない

噛み付くあたしは彼の目をじっと睨みながら力を込める

それでもあたしを悲しそうな目で見つめたままの彼は

血が滲むほどに噛み付つかれてもあたしを抱きしめたままだった・・・・


「離して・・・離してよ・・・」


強く抱きしめられた両腕は逃げるあたしを離さない

本当は逃げたくないと思っているあたしの気持ちを解ってるかのように・・・

でもあたしはここにいたら弱くなる

「もうやめてよ・・・離して・・・・お願いだから・・・・」

なんであたしにそこまでするのかわからない

そんなことされたらこのまま二度と自力で立てなくなる・・・・

あたしはそんな気持ちでいた


そんな態度に呆れたのか彼の抱きしめていた腕の力が弱くなった

その瞬間彼が頬を両手で包み込んできた

あたしを見つめる彼の目に小さな子供のように彼に怯えて震える自分が写る・・・


「なんで・・・そんなに一人で頑張るんだ?・・・なぁ?」


そう寂しそうに言ってあたしの目をじっと見つめた

・・・どうしてそういうことを言うの?

たった一言の言葉で今までの頑なな心が壊れていく


あたしは自分でも気付かないうちに泣いていた


泣き続けるあたしのことなど構わずにおでこにキスをした後に

「泣くなよ・・・なぁ・・・」

今にも泣きそうな目をしながらそう言ってあたしを見つめて抱きしめた

彼の大きな身体があたしをスッポリと包み込んで安心感をくれる・・


もうこの目から逃げる気力も残ってない・・・


もう・・・・一人で立ち上がれない

この人に全てを見透かされた

弱虫なあたしは小さく震えている。

彼が震えたあたしに優しく手を差し伸べている

もうあたしはその手を握らずにはいられなくなっていた。


「・・・・・落ち着いたか?」

「・・・・ん・・・・なんとか・・・・」

そう答えるのがやっとだった

ふと肩にまわした彼の腕を見て慌てた。

あたしが力一杯噛んだせいで酷く腫れ上がってていたからだ。

「・・・早く冷やさないと!」

叩いた頬もうっすらと赤く染まっていた・・・


「あぁ・・・大したことない。大丈夫だ。まぁでも・・さすがに痛かったかな。

 俺だったから良かったぞ?

 さすが今まで一人で生きてきたって言ってただけあるな。大したもんだ!」

孝天は腕を振りながら笑って言った。

「ごめんなさい・・・」 

あたしは彼に初めて素直な気持ちで彼に謝った。


「お前さ・・・少しは肩の力抜く事覚えろよ・・・もう一人で生きていこうとするな。」
この人には敵わないよ・・・そう思いながらあたしは小さく頷いた・・。

「へぇ・・・素直じゃないか・・まぁまだまだだけどな・・・」

そういいながら彼はちょっと意地悪な顔をして笑った。

「・・・・・・・・・・」

あたしは思わず彼を睨んだ。


「そんな目しても・・・俺には通じないの・・・解ってるよな?」


「・・・・何か嫌な感じ。」


「まぁだそういう事言うのか?ん?」

そう笑いながら顔を近づけてくる・・・


今度はあたしから孝天の唇にキスをした・・・

彼は少しだけ驚いた様子だったがあたしの唇を受けながら少しだけ頬を上げ笑って言った


「ん・・・少しずつで良いよ・・・どんどん甘えること覚えろよ・・・」

唇を離した後そう言って優しい笑顔であたしの頭をなでてから抱きしめてくれた


あたしの中の防衛本能はこの人をいい人だと判断したのかな・・・

この人があたしの心に差し伸べた手をあたしは噛みついた

それでも受け入れたこの人に甘えたいし側にいたい・・・そう思った。