とりあえず・・・つづきます・・・(汗)
「シェア・パートナー<孝天編>」 その2
そんな二人のルームシェア生活が大分慣れてきたある日
その日は確かメモでケンさんが戻ってくる予定の日だった。
「夜遅くに帰って来るだろうからチェーンロック外しとけばいいか。」
あたしはとりあえずいつものように仕事を終えた後自分の分の夕食の材料を手にして戻った。
あたしが路地を曲がりながら鍵をバッグから取り出していると聞き覚えのある声がした。
家の前でケンさんが誰かと話している・・・どうやら誰かとモめているらしい・・・
「・・・・だから・・・お前帰れよ。」
「孝天。中に入れてくれても良いじゃない。ケチ」
「シェアパートナーがいるんだ。迷惑だろが。第一なんでお前がうちまで来るんだよ。」
「女の人を連れてくるなら・・・あらかじめメモで知らせておくルールじゃなかったっけ・・・全く。」
あたしはため息をつきながら仕方なく家の前まで行った。
「あの・・・終わったらここに連絡ください。それじゃ。」
あたしは携帯の番号を書いたメモを彼に渡して仕方なく時間をつぶすことにした。
思い出して振り返り彼の元へ歩いた。
「スイマセン・・・これ冷蔵庫へお願いします。」
あたしは夕食で使うはずだった材料を彼に渡した。
「・・・おい!沙耶!」
ケンさんはあたしを呼んでいたがそのままに仕方なく駅の近くの居酒屋へ足を運んだ。
店内であたしはとりあえず時間を潰す為にビールと焼き鳥を頼んだ。
「全く・・・先に知らせるのがルールでしょうが・・・夕飯どうしよう・・・」
独り言を言いながらとりあえず飲んだ。
その時携帯がいきなり鳴った。
「もしもし?」
「あ・・・ケンだけど・・・」
「あぁ・・・大丈夫だからごゆっくりどうぞ。・・・・終わったら連絡下さいって言ったでしょ」
「・・・・あのなぁ・・・・終わったらって・・・連れ込んでないから。」
「は?あの女の人帰ったの?あたしひょっとして邪魔した?」
「違う。最初っから入れる気ない。戻って来いよ。」
「今居酒屋で飲んでるから。もう少したったら戻ります。」
「・・・・場所は?」
「は?駅から近くの所だけど。『さぶちゃん』てお店」
「・・・・待ってろ。」
そう言って勝手に向こうから切ってしまった。
「待ってろって・・・なに?偉そうに。」
あたしは気にせずビールを飲んだ。
「・・・・待ってるわけないじゃん・・・帰ろうっと。」
あたしは会計を済ませ店を出てのんびりと家へ戻った。
「はぁ・・・夜風が気持ち良い~♪」
気分がよくなったせいか後ろに人が居るのに気がつかなかった。
「・・・・待ってろって言っただろうが。」
突然背後から声がしてあたしは驚いて振り向いた。
「・・・・俺も飲もうと思ったのによ・・・ったく。何驚いてんだよ?」
「・・・・突然声かけるから・・・・酔いが醒めたじゃない。」
あたしの顔を見ながら笑ってタバコに火を着けた・・・
「あ・・・タバコ吸うんだ。そういえば・・・家で吸ってないよね?」
「あぁ・・・沙耶はタバコ吸わないだろ?悪いと思ってな・・・」
「別に構わないよ。換気してくれれば。」
「そうか?んじゃ遠慮なくそうさせてもらうよ。今日からな。」
家に戻る道を二人で並んで歩く・・・・なんか不思議な気分だ。
「ねぇ・・・女の人怒ってなかった?何で帰したの?」
「は?連れ込むつもりなかったんだよ。あの女が勝手についてきただけ。」
「ふ~ん・・・ケンさんてホントモテるんだ・・・」
「別に・・・たまに気にいった女を部屋にあげる程度だな」
くたびれたシャツとデニムに足元はサンダルという格好の彼とスーツ姿のあたしが並んで歩く姿は
きっと周りから見たら可笑しいだろう・・・
「あ・・・メシの材料・・・あれ・・・何作るつもりだった?」
「え?あぁ・・・サラダと冷シャブとお刺身をちょっとね・・・」
「ふ~ん・・・なるほどね。あれさ・・・使ったぞ。」
「へ?使ったって?何か料理したの?」
「まぁな。若干沙耶の言ったのとは違うメニューができたけどな。
・・・・そうだ・・店で飲み損ねたから飲み直すか家で。」
そう言った彼はコンビニに入ってビールを6本買ってきた。
あたしは外でのんびりと風にあたりながら待っていた。
「よし!急いで帰るか。沙耶。行くぞ。」
またタバコに火をつけてあたしの手を掴みツカツカと歩き出した。
掴まれた腕があまりにも自然だったのであたしは何もいえずにそのままにしていた。