「いつもニコニコしとかないといかんねぇ」
と職場の中国人が言う。しかめっ面で。

話をすると、十年前に単身来日し、四ヶ国語を操り、マンションを持っており、料理がめちゃめちゃ上手いというなんかすごい人で、多分金持ちだ。~ビャクマン、~ゼンマンという単語が片言でばんばん飛び出てくる。

そこそこの高齢で、厳しく世話好きで、感情と口が連結しているような人で、中国と日本の国民性の違いをまざまざと見せ付けられるのはとても楽しい。

当然、中国人と日本人をそれぞれ一括りで対比する訳にはいかないが、こと自己主張に於いてはあからさまな違いがあるのではないでしょうか。
職場の中国の人は、とにかく何でも言う。もうびっくりするくらい。「そのやり方じゃダメね」とか「あんた使えないねえ」とか平気で言う。ただ相手に直接言い、後腐れもないのだから面白い。
『出る杭は打たれる』を全く恐れず、歯に衣着せぬ物言いは見習うべきだと思うが、「中国ではアタシみたいな人ばっかりね」というのは絶対嘘だ。この人は中国の中でも勝ち抜いてきた人で、中国の中でもかなり特殊な人種であろう、と思いたい。

「日本人は優しいけど思ったことを言わな過ぎるね」というのはごもっともで、一番は陰口の多さにびっくりしたと言う。お恥ずかしい限りで。

少なくとも巷に流れるニュースによる中国の印象からはほど遠い人で、祖国の後ろめたい報道に心を痛めている様は、見ているこっちが心苦しい。

感動したのは餃子作りで皮を伸ばすとき。
すりこぎで皮を伸ばすのだが、どう頑張ってもすりこぎを八転がし以上してしまう。なのにその人は三転がしで皮を伸ばしきるのにドヤ顔一つしないのが一番すごいと思った。