たご無沙汰です。


今日は、大大大好き💕な小説家、榎田(えだ)ユウリ先生の著書「猫とメガネ」を紹介します☺️


2022年10月に「猫とメガネ 蔦屋敷の不可解な遺言」が出版され、今年の4月に2作目「猫とメガネ ボーイミーツガールがややこしい」が出版されました\(^o^)/






あらすじ?

公認会計士の幾ツ谷理(いくつやさとる)が突然妻から離婚を言い渡され、シェアハウスに流れ着く。

そこで、離婚話をされたカフェで出会った行動経済学の准教授、神鳴(かんなり)シズカ、弓削洋(ゆげひろ)と再会し、理が少しずつ変わっていくお話。

神鳴の過去やそれにまつわるある人物が登場したときの怖さ…………も醍醐味です。


このお話の読みどころは、幾ツ谷と神鳴の丁々発止!

私のイメージでは、幾ツ谷は理屈っぽい。

神鳴は論理的。

まぁ、似たもの同士の理屈屋なんだけど、この二人のケンカというか、言い合いというかが、とにかく面白いの。


ここからは、ココ!ってところを抜粋して紹介しまーす。


なにかといがみ合ってる二人なんだけど、シェアハウスのオーナーになる洋(大学生)が友達と(怪しい)セミナーを聞きに行く。となった時、二人して後をつけ、会話に乱入し、めっちゃ仲良しやん☺️って感じの阿吽の呼吸で勧誘者を撃退して、「ヨシ!」と思ってたら洋を怒らせてしまうというヤラカシ🤣


冒頭のカフェで妻との話は、「はぁ~?なんや、この男」「アホ抜かせ」

大金使ってマッチング会社に登録、交際→プロポーズ→両親への挨拶→結婚式→「非合理の極みと思われた披露宴……まあ、祝い金回収システムとして妥協したが」こんなに労力と時間を掛けたのに1年半で離婚は無い←はぁ~?💢って感じなんたけど、ここから更に、はぁ~?な発言が続くのである。


穏やかに、冷静に話していたが、何を言っても無駄!と思い夫にアイスコーヒーを浴びせ、妻はカフェを出ていき、連絡不通、マンションの鍵を替えるという行動に出る。


幾ツ谷と妻とのやり取りを聞いていた神鳴のバトルが発生するんだけど、妻が炊事は特に苦手と言っていたこの苦手なことを毎日続けるストレスについて、数字で説明した神鳴に対し『「だが、世の中にはもっと大変な人もいるだろう。仕事をしながら家事だけじゃなく、育児や介護など……」』という幾ツ谷に

『「怪我して痛がってる人に、死んでないからマシだろうって言うの、やめない?そんなの誰も幸せにならない」』って神鳴が言うの。


なに?この的確な表現!!!


こういうの日常であると思うんだ。

もっと大変な人、もっと◯◯な人、って引っ張り出して比較して、お前はマシだ!みたいなの。


神鳴のこの表現、そう、ほんとにそう!

って思う。

今後、こういう場面に遭遇したら、神鳴節をビシッとバシッと言ってやる!と心に誓ったのです。

(セリフを覚えてられますように)


妻とは連絡がつかず、マンションの鍵も替えられ、ビジホ暮らしを余儀なくされていたある日、存在を知らなかった叔母の遺産相続について弁護士から連絡が入る。

その時、当然、捕らぬ狸の皮算用か始まる。

話し合いに叔母が住んでいた家へ出向いた時、

「なんと、庭がふたつか。ということはざっと見積もって何平米くらい……ええと、このへんの路線価はもう調べてあるが……ならば、実勢価格は?ぽんぽこぽんぽこ、脳内で捕らぬ狸が大行進である。」


この、狸が大行進って!!!

わざわざ狸出して来る?

しかも大行進って!!!好き💕💕


相続の話し合いに出向いたら遺言書が出てきた!

『「遺言書があるとなったら、天国から地獄の気分だよねえ」』


『「きっと、捕らぬ狸の皮算用していただろうに」』


『本当にいちいちうるさいやつだと毒づいてやりたかったが、事実、俺の脳内狸たちはポンポコフェスティバルだったので、唇を噛みしめて黙っていた。盛り上がっている屋外フェスの最中、豪雨に見舞われたようなものである。メイン会場を沸かしていたポンポコライブは突然中止、狸たちは空を見上げてオーマイガの茫然自失なのである。』


この「ポンポコフェスティバル」っていう表現や狸の大行進、特別なことばじゃないけど、捕らぬ狸の皮算用をアレヤコレヤとしまくってるのを何匹もの狸がポンポコ、ポンポコ、しかもフェスティバル!大行進!で表現するなんて凄い!天才!しかも遺言書の登場を屋外フェスの豪雨って、天才か!!!と思ってしまうのです。

どんだけ皮算用してんねん🤣


榎田先生の表現は、奇をてらった表現じゃなくて、サラサラっと読み進めてしまう。他の作家さんも使ってるんじゃない?って感じの表現だけど、榎田先生ならでわな表現が好きだし、凄いと思うんです💕


そして、キャラがみんな立ってる!!


洋は大ばぁちゃん(曾祖母ちゃん)と離島で暮らしていたんだけど、その離島の島民人口は、ばあちゃんと洋の二人!!

いやいや、先生、島民少なすぎじゃね?🤣

と突っ込んだよ~


亡くなった幾ツ谷の叔母は晩年韓国のアイドルグループにハマってた設定なんだけど、先生が、BTSのファンなんだよねー。

先生、作品に自分の趣味ぶっ込んできたなぁ🤣と先生のファンとしては、美味しい💕

そんな叔母さんが使ってたパソコンのデスクトップに韓国のアイドルグループが「アニョハセヨ」している。

どう?どうよ、アニョハセヨしている。だよ。

推しがいるとか、推しが笑顔でピースしてるとかじゃなく、アニョハセヨだよ!もぉー、好きッ💕💕


分かってくれるかなぁ?

この、先生のセンス&私のツボ


洋はなかなか方言が抜けなくて、純真で素直て優しい子なの。

上京した最初の月は、3回キャッチセールスに引っかかって、2回訪問販売に引っかかって、財布をすられて、次の日は買ったばかりのスマホをすられた洋だけど、気が弱いわけじゃない。

怪しい要らないものを買い取ります。の業者が来た時には、菜箸で摘んだムカデをスッと出して「あ、これ、いらんのですけど〜」と応対。

ちなみにムカデはゴムのおもちゃ😁

洋くん強っ


他の住人もそれぞれキャラがたってる。

夜中に奇声を発する小説家

特殊清掃業の男性カップル(先生の代表作に登場してた二人。こんなに大きくなって………と感慨深い)

ジェンダーレスの弁護士

登場場面は少ないけれど、ジェンダーレスというのと、心無いことばを投げかけられるという考えさせられる場面があるんだよねー。

どんなふうにキャラ立ちしてるかは読んで確かめて💕


物語は進み、神鳴の過去がつまびらかになった外出から帰宅した時、その人は現れた😰


怖い怖い怖い怖い

いやーー怖い

この人の登場で一気にジャンルが変わった感。


その人を撃退した洋はカッコ良かった!


途中神鳴の行動がミステリーチックだったりするのだけど、そういうことかぁと解決したところにキターーーーー😱😖という展開


物語の序盤のアレが……………という布石回収も楽しめます。


タイトルの猫は、幾ツ谷が公園で拾う子猫で、猫は人語を喋らないし、擬人化された描写は無いです。

可愛く鳴いたり、動いたりするだけです。


ただ、この猫ちゃんが、精神的にも物理的にも幾ツ谷を救うのです。


ビジホから亡き叔母のシェアハウスに住むことになるのだが、住人たちの話し合いの末、出た結論が


『人道上の理由により、幾ツ谷理の蔦屋敷滞在を許可する。これは一時的措置であり、幾ツ谷の言動に問題ありと判断された場合は、即刻立ち退きを命ずる。

ただし猫はそのまま居てもよい


となり、部屋に案内された際、神鳴から


『「いっとくが、あんたはオマケだ」』


『「猫のオマケだ。あくまで猫がメインだ。海苔弁で言ったら、猫がごはんと海苔とちくわの磯辺揚げで、あんたはすみっこに追いやられた合成着色ピンクの漬物だ。レンジてチンするとやたらとにおいで主張してきて、大多数に『この漬物、なくていいのに』と思われるアレだ」』


『「つまりここは、猫のための部屋と言っていい」』

と言われた経緯がある。


猫さまさまである。


オマケとメインを海苔弁で例えるセンス!

天才!!!

例えるだけじゃなく、レンジでチンした時の臭い&「この漬物なくていいのに」→お前はおらんでいいまで付け加えるところとか、ほんと天才!(笑)


マジでこういうのを才能って言うんだなぁ。としみじみ思うわけですよ。


あとネーミングも好きなんだよねー

幾ツ谷が幼い頃飼っていた猫は片方だけ靴下を履いたような毛色だったところから「イッソク」


公園で拾った子猫は「むぎ茶」(なんでむぎ茶になったかは本編で確認してね)


2巻で登場するオカメインコは「ほっぺちゃん」


このネーミング好きだわ〜


みなさんはどうてすか?

このネーミングセンス、好きですか?


2巻については次回、今回同様“天才”を多様し、暑苦しく語りますが、物語のはじめの1行


おでんとは、なにか。


で始まります。


そして、あの人があの人と対峙します!!!


とにかく、サクサク読めて、面白いので(私はちょっと泣いた)是非読んでみて


※幾ツ谷と神鳴は生年月日が同じなんだけど、この本を貸した前職場の同僚の誕生日がこの二人と一緒だった😲という驚きの事実!!


まさに、小説より奇なりです。