今回のテーマはコミュニケーション・スキルのうち、「質問力」についてです。

会話の焦点ともなる「質問力」には、主に以下のような種類があります。それぞれの種類は異なる目的やアプローチを持ち、相手とのコミュニケーションや情報収集において異なった効果をもたらします。

オープンクエスチョン（開放的な質問）: オープンクエスチョンは相手に自由な回答を促す質問です。具体的な情報や意見を引き出し、相手の考えや感情について深く探求することができます。例えば、「なぜそう考えたのですか？」や「どのように感じましたか？」などがオープンクエスチョンの例です。

クローズドクエスチョン（閉じた質問）: クローズドクエスチョンは相手に特定の回答を求める質問です。はっきりとした情報を得るために使用されます。例えば、「はい」や「いいえ」を求める聞き方や、具体的な数値や事実に関する質問がクローズドクエスチョンの例です。

プロービングクエスチョン（掘り下げ質問）: プロービングクエスチョンは相手の発言や意見について掘り下げるための質問です。相手の話題や意見について詳細を引き出し、深い洞察を得ることができます。具体的な例としては、「もっと詳しく教えてください」や「なぜそのように思うのですか？」などがあります。

リフレーミングクエスチョン（言い換え質問）: リフレーミングクエスチョンは相手の発言や意見を別の視点から考え直すための質問です。相手の意図や視点をより明確にすることができます。例えば、「あなたが言っているのは、実際にはどのようなことですか？」や「別の言い方で表現してみてください」などがリフレーミングクエスチョンの例です。

これらの質問の種類は、対話の目的や状況に応じて使い分けられます。オープンクエスチョンは情報の探求や相手の意見を引き出す際に有効です。クローズドクエスチョンは具体的な情報や確認をする際に適しています。プロービンクエスチョンは相手の発言や意見に対してより深く掘り下げるために使用されます。相手の背後にある考えや感情、詳細な情報を引き出すことができます。リフレーミングクエスチョンは相手の発言を別の視点から捉え直し、より広い視野で考えるきっかけを提供します。

質問力の重要性は多岐にわたります。以下にそのメリットをいくつか挙げます。

情報の獲得: 適切な質問をすることで、相手からより多くの情報を引き出すことができます。深堀りの質問力を持つことで、相手の考えや感情、意図をより詳細に理解することができます。

コミュニケーションの円滑化: 質問は相手との対話を活発化させ、より深いつながりを築くための手段です。相手が話すことに対して関心を示し、探求する姿勢を持つことで、信頼関係を構築し、コミュニケーションを円滑化することができます。

問題解決の促進: 質問力を駆使することで、問題や課題の本質を的確に把握し、解決策を見つけることができます。深い洞察や新たな視点を得ることで、より創造的な問題解決が可能となります。

さて、具体的なシミュレーションを行います。以下は3つの例題です。

例題１

A: 「最近、仕事にやりがいを感じられなくなってきたんです。」 B: 「どのような要素がやりがいを感じられなくさせていると思いますか？」

例題２

A: 「このプロジェクトはスケジュールが厳しいです。達成するためにはどうすればいいと思いますか？」 B: 「具体的にどの部分がスケジュールに影響していると考えていますか？」

例題３

A: 「この商品はなかなか売れないんです。どうしたら需要を喚起できると思いますか？」 B: 「お客様にとって、この商品の魅力は何だと思いますか？どのような点に改善の余地があると思いますか？」

これらの例題を通じて、深堀りの質問力を練習することができます。

例題1の場合、相手が仕事にやりがいを感じられなくなっていると話しています。Bは「どのような要素がやりがいを感じられなくさせていると思いますか？」という質問で、具体的な要素や問題点を探り出すことができます。

例題2では、Aがプロジェクトのスケジュールについて相談しています。Bは「具体的にどの部分がスケジュールに影響していると考えていますか？」という質問で、具体的な要素や課題に関して洞察を深めることができます。

例題3では、商品の売れ行きが悪いという問題について話されています。Bは「お客様にとって、この商品の魅力は何だと思いますか？どのような点に改善の余地があると思いますか？」という質問で、顧客の視点や改善策について考えを広げることができます。

質問力とは

これらの質問をすることで、話し手の発言を深く掘り下げることで相手との共通理解を深め、問題解決や意見交換をより効果的に行うことができます。深堀りの質問力を磨くためには、これらの例題を使ったシミュレーションの練習や日常のコミュニケーションで積極的に質問を活用することが重要です。

会話の焦点：【質問力】のスキルを身に付ける！