窪田登司という反相対論者がいる。以前からこの方が書いた本をブック・オフでたまたま入手していたものの、東北大の早坂秀雄氏の反重力理論等に目が行っていて注目していなかった。が、先日、日本サイ科学会誌「サイ科学」vol.45 no.1 に掲載されているUFOフリーエネルギー研究家·田村良一さんの投稿を見ていて相対性理論が間違っているという件で窪田氏の本が引用されていたのもあり、少し調べてみた。

 

例えば↓

https://www7b.biglobe.ne.jp/~kubota-takashi/gimon.html

どうもアインシュタインの思考実験や想像力で結論を出したやり方が気に入らないようである。

氏の特殊相対論を否定するスタイルは私が中学生の頃特殊相対論から理論物理学に入っていった事態とは反対なので興味を持った。(私は所詮、特殊相対論を信じ込んでいて疑えなかった人間に過ぎない気がしてくるではないか。)

 

·40歳過ぎた頃、ようやく特殊相対性理論を理解出来た。ローレンツ因子をはじめ、すべて「仮定」から作ったものだ。

上のホームページにこう書いてあるように、氏は年齢や才能に囚われていないようであり、そこは大いに素晴らしいと思った。(この点は、強力な電磁場で時空を曲げて推進する円盤を考案した南善成氏についてもそう思う。)

そして、特にK大学M教授に対する批判精神は立派な結論だと考えられた。このようなアカデミズムの態度は多分に本当の事であろうから。

但し、アインシュタインや相対論についてはかなり穿った視点で見ている感が否めないように思う。窪田氏がもし正しかったとしても、アインシュタインもまた許してやらなければいけないのだ。自然の前で人間の誤りは露呈し赤子同然の姿を晒すのだからアインシュタインだけを悪者扱いしても仕方ないではないか、と私は思う。宇宙に生きるとはそういう事だろう。

 さて、仮に氏の主張が本当なら、つまり特殊相対論のローレンツ変換を否定すると何が起きるか。

ディラックによれば一般相対性理論とは特殊相対論の正しい延長であり、全ての物理法則は共変微分に対して不変の性質を持つのであった。こうして特殊相対論の結論が重力場の理論に延長されて宇宙論になっていくのであるから、殆ど全ての相対論的な奇抜な結論、ビッグ・バン理論から時空の歪みから双子のパラドックス等も否定される事になる。私も大いに反省せねばならないのだろうな。