山本弘著の「超能力番組を10倍楽しむ本」を読みだした。

こういう懐疑派の連中の態度を見ていると、私はどうしても電磁波過敏症はインチキだ、精神病だ、そんなものあるはずがないと周囲の人間にさんざん言われてきた事を思い出すからトラウマになりそうだ。ひねくれおじさんもその手だが、連中は客観こそがすべてだと思っている。知性至上主義的で、もっと言えば大槻義彦が自著ではっきり書いていたように科学至上主義なのである。そこでこの本で冷静に連中の手口を見ていたのだが、一言でいうなら、インチキのトリックを見破る事だけ出来ても何になろうか?

 インチキは確かに良くないのは私も疑う所ではないのだが、懐疑論者の主張は大事なものを見落としているように思う。例えば、主観的世界の重要さであったり人間のクセの肯定等が挙げられる。井上理津子という人は貧困問題のルポで貧困当事者を西成でインタビューしながら本の結論として貧困問題を人間のクセのようなものから考える事を書いていた。貧困問題を社会∼学者共がどう論じたてた所で、貧困は人間のクセとして一概に否定しきれないからこそ、ルポを読んでいて面白いという正直な感想が湧いてくるのだ。

超心理学的な事柄も仮に全ての超能力が偽物であったとしてみたところで、人間のクセとして少なくとも存在している。クセの強い人間は煮ても焼いても食えない者、ひいては荘子的強靭につながるので大いに称賛したいと私は思う。

例えば下の書き方↓だって、既成の客観枠組に固執して全てを見ていたい懐疑者の言い訳と私には思えてならない。
サイミッシング、ズレ効果、下降現象、実験者効果······これらはどれも煮ても焼いても食えない超心理学者の素晴らしい思考の軌跡を表しているのだ。