シュバルツシルトのブラックホール解は、アインシュタイン方程式の最も最初に見つかった、又、最も単純な解ですが、ディラックの著書「一般相対性理論」に載っている導出過程を使うと、もう一つの解であるライスナー·ノルドシュトロム解を導く事も出来ます。↓

電磁場と質量だけを仮定したブラックホール解です。私は、当時数式を見るやあたかも機械を分解するように導出過程を逆算することにハマっていました。そしてホームセンターのコーナンの売り物の椅子に深々と腰掛けてあーだこーだとやっていると、ある日ライスナー·ノルドシュトロム解は意外とあっさりと出て来ました。

※ホームセンターでも売っているような鍵一つをとっても、中のメカはなかなか侮れない内容を持っています。↓

当時の私は、メカニズムこそは道の真相だと思っている節がありまして、機械を分解して総体として出て来る“動き”を確かめる、その動きのわけを知りたい、そこに出て来る勘所みたいなものが荘子の包丁解牛の具現だとか職人の勘のように解していました。こうして、荘子流の理論物理学というのを目指す事にしたのでした。
私はホームセンターのコーナンでたまたま勤めていた機械名人(修理業)の話を聞きつつ、自分のメカ職人道と境地を競わせたものでした。
夢中でしたね。
バイトでは“使えない人(不材)”をやりながら、裏では楽しみを尽くしていました。
荘子もそうだったように、私もまた職人の本物の境地には非常に尊敬し、極めたい、知りたいと思っています。荘子の職人追求は、知恵の中でも本物の知恵とは何かを扱っていて、これは荘子にも知性に関係する問いがあった事を示しているように思いますね。しかし、学者·知識人的知性やIQとかと違う何かでしょう。そして21世紀が無き物にしよう、と躍起になる何かです。