金も、地位も、権力だってあった。家では愛する家族が帰りを待ってくれていた。この世の誰もが欲しがる物を全て手にしていた。でも現実は違った。俺は完全に、どうしようもないくらい惨めだった。魂の抜け殻状態で心を病んでしまう手前にいた。依存症だった。1日のうち、唯一シラフなのは仕事の時だけ。それ以外の20時間あまりは、痛み止め、筋弛緩薬、酒を身体に入れるのが習慣だった。このサイクルが終わることなどない。死に至るのも時間の問題だった。それは自分でも理解していた。けれど、当時は肉体も心も相当オピオイドに依存してしまっていた。薬を止めることなど考えられなかった。
お前は依存症だ。嘘つきだ。どうして薬を止められない? どうして空っぽだと思うんだ?
- スティング
明日の試合見る前に読めて良かった!