死霊の盆踊 Part3 代理戦争 ② 銃声の向こう側 | まつすぐな道でさみしい (改)

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  春の歌謡ショーと銘打たれた今大会のカードを目にしたとき、1番の衝撃はこの組み合わせだった。

 正直、ブルックリンのヒップホッパーなどというキワモノはどうでも良いのだが、対戦相手の演歌歌手というのが重要なのだ。

 これを見た瞬間、ジャックの野郎ついに仕掛けやがったか? と、この時の私はちょっと体温が上がったような錯覚に陥っていた。

 ここで言うところの演歌歌手とは、十中八九茜ちよみで間違いないだろう。

 かつて佐々木健介とのデュエット(茜ちよみ&佐々木健介《パワー・ウォリアー》/ひたすらに、ひたむきに キングレコード・廃盤)で大ヒットを飛ばした国民的演歌歌手であるから、いまさら説明の必要は無いとは思うが、海外からのアクセスが50%を超える我がブログとしては、外国籍のファンの方に説明責任が有るので簡単に纏めておこう。



 この有刺鉄線の前でマイクを握っているのが演歌歌手の茜ちよみなのだが、彼女の経営するカラオケスナック茜スーパーFMWの事務所を兼ねており、ラーメン屋を営みながらもスナック茜を手伝っているというターザン後藤は、昔からちよみと共通のタニマチを有する相棒らしく、スナック従業員の鮎川れいなは、ターザン後藤にスカウトされニューハーフレスラーとしてデビュー、現在もオカマチャンピオンとして活躍中らしい。

 要するにスーパーFMWというのはカラオケスナック茜に集い、生計を共にするターザンちよみれいなの3人を中心に回っており、恐らく興行を行うたび、その他のメンバーを的当に引き込み頭数を合わせているのだろう。


 そのように考えれば、第1試合の歌謡対決に演歌歌手・茜ちよみを引っ張り出すということは、単なる選手の引き抜きや興行戦争という話では済まされない、ターザン後藤一派の生活基盤を崩壊させるテロ行為とも取れる、仁義なきカード編成と言えよう。

 いくら、付き人時代に後から入門したオカマレスラーを優遇され、あまりの処遇に腹を立て逃げ出した過去が有るとはいえ、元・師匠であるターザン後藤をそこまで追い詰めるつもりなのか? 

 その底知れぬ憎悪の深い闇を垣間見てしまった私は、背筋が凍る思いで試合の始まりを待っていた。







 そんな事はどうでも良い。

 ブルックリンのヒップホッパーなんて、どうせ素人に適当なラップもどきを歌わせてお茶を濁すくらいの事は想定済みだ。

 とにかく問題は、この後だ…






 なんと…

 本気で茜ちよみが出て来ると期待していた私は、言葉を失いただ立ちすくむしか無かったのだが、さらにこの取り組みは歌謡対決では無くプロレスの試合だという。

 ロックとプロレスの融合というのはジャックの下手糞なアニメソングの事だったのか? 

 目の前で繰り広げられる茶番劇を、私はただ茫然と眺めるしか無かった。

 
 真面目な話、いつものレフリー(群馬水上)がジェロニモのカツラ被ったような(あくまで正体不明)試合は、毎度の恒例の低空飛行(水上ワールド)で進行し、マイクを使ったアパッチのおたけびの威力に吹っ飛ばされ、豪快に受け身を取るヒップホッパーに対し『下の階の住民に怒られるから! 思いっきり倒れるのはやめて』と、レフリーの厳しい指導で笑いを取るなど、それなりの見せ場も有ったものの、写真加工してまで試合展開を解説する気にもならないので、どうしても内容が気になる人は早送りで動画再生しながら確認して下さい。

 と言いたいところだが、現実を直視する勇気の無い人はスルーしてお進み下さい。







 コレじゃ無かった…

 うっかり動画を見ちゃった人は分かると思うが、試合内容だけで魅了出来るようなプロレスなど、ココにでは最初から存在しない。

 動画を見る勇気の無い人の為に、面倒だが終盤を振り返ろう。


 ここに来ると、普段試合内容がなんだと文句を言いながら見ている普通のプロレスが、どれだけ凄いことをやっているのかと思い知らされる。

 極悪レフリーに毒を注入されるという異常な事態に悶絶する演歌歌手だったが、ファンの声援を背に決死の覚悟で立ち上がる。

 そうだ、プロレスとは絶体絶命のピンチに陥りながらも、そここらさらに力を振り絞って立ち上がる姿にファンは熱狂する。



 乾いた銃声が響き渡り唖然とする観客の前に、駄目押しのように突きつけられた現実…

 ブルックリンのヒップホッパーはニューヨークでは無く、カルフォルニアから来日していた。

 コロナ自粛が叫ばれ、プロレス会場で大声を上げて応援することすら許されない状況で、数ヶ月振りのプロレス観戦というファンも少なくは無いなか、望みもしないバッドエンドに、知りたくも無いプロレスの裏事情を突き付けられ、会場の空気は一瞬にして暗黒面に支配される。




  プロレスは時代を写す鏡だと言われるが、平成時代、10年にも及ぶ暗黒期からプロレスを救ったと言われる救世主は、毎試合後リング上から愛を叫び、ハッピーエンドプロレスを展開することでプ女子と呼ばれる新たなファン層を開拓し、業界をV字回復させた。



 時代は令和に変わり2年目に突入した途端、世界はコロナという未知のウィルスを前に壊滅的なダメージを受け、プロレスもハッピーエンドを拒否した。
 

 はたして、平成時代の多幸感プロレスに飼い慣らされてしまったファンは、この未曾有の危機を受け止め、乗り切ることが出来るのだろうか?

 余りにもピンポイントで世相を反映した試合内容に、一抹の不安が頭を過ぎる。

 哲学的な夜の幕開けを感じさせるオープニングマッチに、気を引き締めて臨まなければジャックダニエル光世の奥深い世界観に飲み込まれてしまう。

 そんな思いを胸に、私は改めて覚悟を決めていた。