逆柱 1.6 新春駆け足大会 | まつすぐな道でさみしい (改)

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 ナイフボーイ…

 今どきの若い人がラッシャー木村と聞いて思い浮かべるのは、ジャイアント馬場と義兄弟タッグを組んでマイクパフォーマンスで笑いを取ってた、好々爺のイメージだと思うけど、80年代にはぐれ国際軍団として新日マットに乗り込んでいた頃のラッシャーは半端ないヒールレスラーだったんだよ。

 それはプロレス地獄変で読んだことが有りますよ、自宅の庭にゴミが投げ込まれて飼い犬がノイローゼになっちゃったっていう。

 試合途中にセコンドのアニマル浜口がアントニオ猪木の髪をハサミで切っちゃったり、髪切りデスマッチで負けたのに、試合後タクシーで逃亡して坊主にならなかったりと、とにかく姑息な手段で観客を怒らせるような事ばかり繰り返すもんだから、当時のファンは本気で怒って暴動寸前だったんだよね。でも反面、どこの会場も超満員で、あの憎っくきラッシャーが懲らしめられるところが見たいと、テレビの視聴率も毎週20%を超えてたって話なんだ。

 髪切りデスマッチって言って客を集めといて坊主にならなかったら、そりゃ客も怒りますよね。またケロちゃんの土下座で観客に謝って治めたんですか?

 いや、これはケロちゃんが土下座を習得する以前の話で、この時は新間寿がリング上で自分の髪にハサミを入れるので勘弁してくれと説得にあたったらしいんだけど、実はこの日の事件はこの暴動未遂だけでは終わらなかったんだよ。

 新間の髪にハサミって何処に入れるんですか…治まりのつかない観客が会場外で暴れたとか?

 この日は有名な猪木監禁事件の日でもあったんだよ。寛水流空手の件で怒った梶原一騎がヤクザを差し向けて猪木を監禁したって事件なんだけど、実際は隙を見て猪木が逃げ出しちゃって、残された新間が監禁されてたって話なんだけど、観客は暴動寸前だし、外にはヤクザが待ってると、新間も本当はリングから降りたくはなかったんだろうね。

 いっそ暴動にでもなってくれと? でもそれだけ集客に貢献した国際軍団も、最後は猪木1人に国際軍団3人掛けなんて屈辱的なカードまで組まれるんですよね。『ガチンコだったらアニキの方が強いのに…』って、くだを巻くアニマルを『平吾…仕事だ…』ってラッシャーが窘めるシーンに哀愁が漂うっていうか、団体の潰れてしまったレスラーのつらさが滲み出てました。

 今どきはそういう裏情報もみんなSNSで流出しちゃうから、昔のファンみたいに単純にリング上の展開を信じて感情移入したり出来ない時代でも有るし、ラッシャーみたいな本気でファンから憎まれるヒールなんてのはもう出て来ないんだろうな。

 リング上で散々悪態付いときながら、試合が終わると物販スペースでTシャツ売ってたりとか、Twitterでは良い人アピールしたりと、リングの上とプライベートは別物ですから! ってのが今どきの風潮ですからね。観客も反則行為してたらブーイングをするって、お約束の合いの手みたいになってるんじゃないですかね?

 ま、本当はベビーフェイスで人気者になりたくてしょうがなかったのに観客に見向きもされないで、ブーイング浴びまくったもんだからヘソ曲げて後輩の悪口言い捲ってたらウケちゃった! みたいな、中途半端にヒールユニットをやってるようなのは別にしても、誰だって本気でファンから憎まれてまでヒールなんかやりたくないってのが本音だろうしね。