6/28(水)~7/2(日)に出演致しました、
とりのこいろ第五回公演
『罷る者等の卑小な聲』
にご来場・ご視聴いただき有難う御座いました
随時加筆修正していきますが、
ひとまず今回私が生きた 筧 佳苗(カケイ カナエ)ちゃんについてお話致します。
※こちらは私が演じた「Bチーム 筧」について、公式見解と杢原の見解を織り交ぜて、
筧目線として組み立てたものです。
今後のとりのこいろ作品や、逆班・他登場人物の目線では若干異なる可能性があります。
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筧 佳苗
誕生日:11月28日
・人はステータスが全てという思考。
上の立場の人間に対しては媚びたい。
・でも自分は楽がしたい為ツメが甘い、何もしたくない。他力本願。
・思い込みが激しく短気。
・理解力、思考力は弱い
佳苗の父親は稼ぎが多い方ではなく、また気弱な性格だった為、母親はそれに対して常に文句を言っていました。
佳苗の実家では父親は厄介者扱い。母親はしばしば近所の人に米を分けてもらいに行くこともありました。
そして母親は佳苗に対して
「あんたは父親みたいな地位の低い人じゃなく、いい人と結婚するのよ。」
と言い聞かせていました。
以来佳苗の中では人間の、特に男性に対して地位や能力や稼ぎを1番のステータスと考えるようになりました。
逆に言うと、父親のような地位の低い人間は貶されて当然の存在と思っていました。
根は真面目にしますが、それはあくまで目上の人に良く思って貰う為。目的はそれによって楽をする為なので、自分自身の能力を上げようとは考えていませんでした。
春野、知子とは学生時代の幼馴染で、高校での同じクラスでした。
クラスには、佳苗が目を付けている男子生徒が1人いました。
彼、A君は成績やスポーツも悪くなく、何より誰にでも優しくて生徒からも教師からも人望があり、常に周りに人がいるような人でした。
A君を慕っている女子生徒は沢山いたのですが、中でも諸橋春野は有名でした。
大人しい性格でクラスに馴染めておらず、でもA君の事が好きなのは一目瞭然なので、度々クラスメイトにからかわれていました。
そんな中、佳苗はA君に告白をしてみようと思いました。佳苗にとっては恋愛感情、というよりはやっぱりこのステータスに惹かれていたのですが。
いつもつるんでいる悪友の成石知子を連れて、ある日A君を学校の屋上に呼び出しました。
そして心にも思っていないのに、「好きです。付き合ってください。」と言ったのです。
しかしA君はそんな佳苗の浅はかな考えを見透かしており、ひどく振ってしまいます。
それにより佳苗の怒りが爆発。
劣等感や嫉妬も相まってA君を突き飛ばしてしまいました。
最悪な事は続くもので、屋上の手すりは耐久性が弱く、A君がぶつかったことにより壊れてしまいます。
その際A君は咄嗟に佳苗の手を掴もうとしましたが、佳苗は思わずそれを払い除けてしまいます。その際A君の手の爪が佳苗の手首を掠めました。そのままA君は体制を崩し、3階建ての校舎を落下していきました。
下は見ませんでした。だって佳苗が認めた、高ステータスの男性だから、たったこれだけで死ぬ訳がないと思いました。そう心から思うくらい、佳苗の劣等感は大きくなっていました。
ただ、これは見られたらまずい。この場から離れなければ、という考えはあったので知子と共に屋上から逃げ出しました。
その際、何故か屋上に上がってくる春野とすれ違いましたが、そのまま階段を駆け下りていきました。
どうやって帰宅したかは覚えていませんが、しばらくの間自室で篭っていました。
翌日の新聞やニュースでは、あの出来事が一面に取り上げられていました。
しかし春野が第1発見者である事、周りからも浮いており数人が春野に不利な証言をした事が原因となり、世論は春野が犯人ではないかと取り沙汰されました。
ですが証拠や目撃者の証言から、警察はすぐに佳苗と知子に行き着き、数日後には逮捕される事になりました。
それでも世論というのは簡単に変わるものではなく、春野はしばらく後ろ指を指されるようになり、学校を退学する事になったようでした。
佳苗と知子は容疑を全面的に認めました。情状酌量の余地があると判断され、また何より未成年だった事が理由で、判決は懲役数年程度になりました。
しかし佳苗は絶望していました。
実家からは逮捕された時点でほぼ勘当状態。また人殺しの自分、更に言うと男性を殺した女というレッテルを貼られた自分がまともな人生を歩めるとは思えませんでした。母親から言われていた「いい人と結婚する」なんて到底無理です。
静かに少年院で刑期を過ごし、数年が経ったある日、ある人物が佳苗と知子にコンタクトを取ってきました。
諸橋春野です。
訝しながらも話を聞いてみると、HARPという施設で職員として働かないか、というものでした。正直、その説明は佳苗にはよく理解できませんでした。しかし、刑期中でも異動する事が可能との事です。
佳苗は、そんな事が可能なら、例えばそのHARPで頑張って上の立場の人たちの目に留まることができれば、全ての罪を無かった事にできるんじゃないか、と考えました。そうすれば家族の所にも帰れるし、全部事件前の状態に元通りに戻せるんじゃないか。
そもそも、もう身寄りが無くなってしまった自分に拒否権はありませんでした。
とんとん拍子で話が進み、佳苗と知子と、なぜか春野もHARPに入ることになりました。
しかも春野からは「所内では私と仲の良い‘’フリ‘’をして欲しい」と言われました。
正直それを守る義理はありません。
ですがあの事件で春野は被害者です。そして春野は自身の判断で事件の事を言いふらすことも可能なのです。もしも周りに知られてしまったら、佳苗の元の生活を取り戻すという目標も叶わなくなってしまいます。
仕方なく佳苗と知子は、春野からの条件を飲む事にしました。
やがて富松や他の研究員達とも対面しました。
HARPの中は、今までの常識が何も通じない空間でした。ですがすでに自暴自棄のようになっていた佳苗は、すんなりとオブジェクト等を受け入れていきました。
研究員達は皆揃って「職員は頭と身体があればできる、簡単な仕事だ」と言います。
全くその通りで、毎日与えられる業務をこなせば良いだけで、そこに疑問を持つ必要はありませんでした。
HARPは1度入れば出られない、と色々な人が言います。
でも佳苗は全く信じません。
半分現実逃避のような部分もあったのかもしれません。そうでなければ、この先の無い日々を生きられません。
いつの日か全てを無かった事にする為、良い人と結婚して楽な生活を送る為に、佳苗は今日も時にサボりながら業務をこなしています。
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一旦以上です。
3人娘については、作中では何かあったのでは?という匂わせ程度に留められておりましたが、
実は今後のとりのこいろ作品にて取り扱われるとの事です。
今作で分からない事があっても、それで完結しないのがとりのこいろ作品の面白い所ですよね。
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開始したら是非これを読んだ上でご視聴くださいませ。
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